現地での探り
現地での探り
「すまない。通してくれ」
「お疲れ様です!副衛兵長」
「被害者は?」
「それが・・・この街のお役人と大銀行の部長の二人です」
「!?それ本当か?」
「はい。恐らくは何かの会議中に殺害されたかと・・・」
「目撃者は?」
「特に怪しい者は見かけなかったと門番が」
「遠方からの魔法での暗殺とかは?」
「今鑑識が調べていますが、それは薄いかもしれません。魔法でしたら対魔法がこの建物やガラスに張り巡らされていますが、反応しないという事は」
「違うのか。食事や飲用は・・・していないな」
「はい。していたら毒系を疑ったのですが、それも違います」
「この部屋の出入りは?」
「この部屋のみならず、この階はかなりの出入りがあるそうなので、特定は難しいかと・・・」
「・・・」
「すまん。ちょっと良いか?」
「誰だお前ら!?ここは立入禁止だぞ!!」
「すまんがそうは言ってられないのは我々も一緒なのでな。ほれID」
「身分証を見せられても!!見せられても・・・え?」
「副衛兵長?どうしたのです・・・か・・・え・・・」
「すまんが、入っても良いか?」
「え?はい。後ろの人たちもですか?」
「ああ。この通り文字入りの防弾チョッキを着ているから安心しろ」
「そうですか・・・。どうぞ」
「入るぞ」
「すまんが鑑識よ。見ても?」
「?はい。どうぞ」
「すまんな。おい、写真を」
「・・・OKです。撮れました」
「毒物とかはどうだ?」
「・・・あったぞ。毒物の種類はまだ分からないが、注射器を刺して血液を採取したら色が変わったからな。この色は遅効性だな」
「経過時間は?」
「詳しくは申せないが・・・作用まで3~4日は見込んだ方が良いな。それ以上経つ毒物は人族の身体には耐えられん。服用後直ぐに作用してしまうだろう」
「分かった。追跡はどうだ?」
「・・・追跡は困難ですね・・・。こういう毒物系は治療院や研究所などが基本的に置いてありますが、盗難とかにあったら更に追跡は困難ですね」
「そうか。なら取り敢えず三佐に報告だな。三佐。二尉です。『こちら三佐。どうだ?分かったか?』」
「はい。ある程度は。まず殺害方法は毒物系です。種類は不明ですが遅効性の毒物です。そして確率的に五分五分で盗難か研究者または取扱者が被害者に服用させたか、ですね」
『そうか。追跡は?』
「今のところは困難ですね。まずは解剖して毒の種類を特定しないことには何も始まりませんから」
『そうか。なら二尉達はこのまま被害者の情報を探れ。現地の衛兵と協力しながらな。それと解剖できる医師を呼ぼうか』
「それでしたら大丈夫です。今回の仲間に医師がいますので」
『そうか。なら引き続き探ってくれ』
「了解です。お前らは衛兵と共に情報を探ってくれ」
「『了解』」
「お前は恐らくは解剖に回されるだろうから、その解剖に付き添え」
「分かりました」
「という事で我々も情報収集を手伝うぞ」
「あ、はい。よろしくお願いします。お前ら、すまんが自衛隊殿と共に情報を探ってくれ。それとお前は自衛隊殿に我々の捜査本部をご案内しろ」
「はい!」
「ご協力感謝する」




