移動中
移動中
『大丈夫かお二人さん』
『・・・私、初めてヘリに乗ったけど・・・こんなにうるさくてこんなに酔うのね・・・』
『私も想定外でした・・・これなら調子に乗らずに飲んでればよかった・・・』
『ねえ・・・あとどれくらい乗るの?もう限界に近いの・・・』
『う~ん。おい操縦士の三曹。あとどれくらいで目的地だ?』
『予想移動時間は残り2時間です』
『だそうだ』
『よく・・・耐えれるわね・・・私はもう限界・・・ビニールはある?2つ』
『あるぞ。ほれ顔を隠せ』
・・・・・
「大丈夫か?取り敢えず着陸したから降りるぞ」
「ええ・・・しかしよく貴方達は耐えれるわね。私達はもうトラウマ抱えた気分なんだけど」
「そうは言ってもな。君達も聞いたことないか?海上基地を」
「海上基地?海上自衛隊の基地のようなものですか?」
「いや港のような基地ではなく、本当に文字通りの海の上に石油プラットフォームの様に立てた基地のことを」
「・・・聞いたことがあるわね。それで海の魔物とかを人々から守る為に作られた基地を。けどそれがどうしたの?」
「そういったところはな。船とかでは魔物に遭遇する確率が高いからさ、基本はヘリで移動するんだ。もし仮にそこに行くことになったらトラウマとか言ってられないぞ?」
「「・・・・もういや・・・・」」
「隊長。そんなこと言っても彼女達に言っても仕方ないですよ?それにそんなことあり得ませんからね?」
「いや?前に聞いたことないか?研修がてら他の機関から見学者がそっちに行った話を」
「・・・・ありえなくはないですね。もしかしたら彼女達も・・・」
「可能性はあるな。低い方ではあるが」
「可能性の話なんかしないでよ~全く~~!!」
「そうですよ!!余計にやりづらいです!!」
「すまんすまん。取り敢えず移動するか。では三曹。暫くは上空待機でな」
「了解です。何かあればお呼びください」
「おう」




