掃討中
掃討中
『こちら第三大隊の第二中隊。対象施設内の掃討完了。応援が必要なところはあるか?』
『こちら第四大隊の第四中隊。そしたら下水道に来てくれ。どうも下水道が入り組んでいて苦戦している。人手が足りない。応援を頼む』
『了解』
『こちら第三中隊の第三中隊。そしたらこっちも終わったから、今からそっちに応援に行くぞ』
『了解。助かる。現在の位置情報及び掃討完了ヵ所を表示する』
『了解』
「なかなか多いな・・・。どうしてこのまま放置した?」
「先方曰く、私営が公営及び政府を何かしらの理由で陥れようとしたが失敗したため、その尻拭いを争った結果、援助を申し出てきた保守派がその尻拭いを買って出る代わりに国からの調査を逃れた可能性がある、と言っていたな」
「?初め島国とは無関係じゃなかったか?」
「それがそうとはいかなくなってしまったんだ。考えてもみろ。無関係に無関係を重ねたところで辻褄が合わないし、島国が無関係なら何故島国の保守派が援助をしているんだ?矛盾しているだろ?」
「確かにな。けど確定ではないのだろ?」
「いや。さっき掃討を完了した部屋からこんな書物が発見された。見てみろ」
「何々・・・記録簿?何の記録だ?・・・ってこれって、金額取引と在庫書ではないか!よく見つけたな。しかもよく見るとウイルス関連の取引もしているし。原材料を提示した代わりに金品やら権利やらも取引しているな・・・?でもこの国も無関係ではないのは分かったけどよ?何故しらばっくれているんだ?これは動かぬ証拠だろ?実際に名前もそれを証明する家紋?で良いのか?も記されているし」
「どうやらしらばっくれているのではなく、本当に知らないそうだ。この記録簿も見てみな?」
「・・・会話記録書かこれ?・・・確かに島国のトップの首相も知らなそうな内容だな。ってかよく見ると別国のお偉いさん型の会話も記録されているし。これって結構規模デカいか?」
「まあデカいだろうな。一国二国の話だけでは無いしな。どうも裏がありそうで更に漁ったら、どうやら大本はここらしい」
「・・・マジか・・・この世界の保健機関ではないか・・・皮肉だな・・・」
「そうだな。俺達で言う世界保健機関がこの世界では裏社会の取引として利用しているんだからな」
「この事は既に報告は?」
「すでにした。返答は取り敢えず更に漁れ、とのことだ。まあ追加があるかもしれんから更に探れって魂胆だろうな」
「そうか」




