八つ当たり
ブックマークがまた増えている!
ありがとうございます。なんと言っていいかわからないですが、モチベーション?テンション?が上がります、本当にありがとうございます。
「……離して」
「離すわけないだろ、大体何で自殺なんかバカなことしようとしてんだよ」
「……アスタルに逢いたいからに決まってる」
「だったら尚更死のうとする意味がわかんねぇよ」
「……もうアスタルはいない」
「そんなのわかんねぇだろ!あんなふざけたこと言ってるやつのこと信じるのかよ」
「……レンが探してる冒険者に聞けばわかること……そしたら私の邪魔はしないで」
「…………わかった、でもアスタルが生きてる可能性が少しでもあったら全力で俺の手伝いをしろ」
「……当然」
私たちは宿の前で待ち出てきた冒険者の人に事情を話して本人を呼んできてもらった。
しばらくすると一人の男が宿から出てくる。
「君たちがあの時の彼の友人かい?」
「はい」
「……そう」
「申訳ないけど話すことはあまりないんだ……実際に現場に着いた時には彼の姿はもうどこにもなくてね」
「なんでもいいんです、何か思い出せないですか?大体姿が無くなるなんておかしいですよ」
「そう言われても……」
「絶対どこかにいるんです、怪我もしてるだろうし早く助けに行かないと!」
「残念だけど生きてはいないと思うよ、手足が無いんだ生きてたとしても今頃は他の魔物に襲われてる。だから納得してくれ」
「……納得できない」
「リリア?」
「……何で手足無いの知ってるの?」
「それはたまたま手足だけ見つけたからだけど?」
「……瘴気化したゴブリンとの戦闘でそうなったのなら、手足は完全に瘴気化しているはず……普通の冒険者だったら燃やして瘴気を飛ばす、普通だったら……」
「そうだなだから俺たちもそうした、何かおかしいか?」
「……おかしな冒険者がまだ保管してる……薬草集めて、自分で浄化して、埋葬したいらしい」
「……そうか。はぁそうだよ姿が無かったってのは嘘だよ、でもこれ以上は聞かないでくれ友人なら尚更こんな話はしたくない。すまない」
「ちょっ戻ろうとしないでくれ、頼む本当のことを話してくれ、下さい。俺たちの大事な友人なんです、教えてください」
「……一つ言うとしたら、彼は生きてないよそれだけは確かだから……すまない」
そのまま宿に戻ろうとする男の髪を私は引っ張り地面に引き倒した。
「いってぇ、何すんだよ!」
「……行かせるわけない」
「何度も言わせるな!話したくない!お前たちも友人なら聞かない方が良いに決まってる」
「……関係ない、早く話す」
私は地面に仰向けで寝ている男の胸ぐらをつかみながら睨み付ける。
男はイライラしたのか荒々しい口調で話始めた。
「なんで俺がこんなことされないといけないんだよ、あぁもういい話すよ聞いてから後悔するなよ、俺たちが向かった時は生きてたよでもその時には、手も足も魔物にフッ飛ばされて残って無かった、街に帰ったとしてもまともな人生なんて送れねぇ、そんな冒険者腐るほど見てきた、だから俺は殺してっ」
気づいたら私は、胸ぐらをつかんでいる男を思いっきり殴っていた。
反射的に殴ったので身体強化が満足にかけれていないことは悔やまれる。
「リリア殺すなよ……俺が殺すから、なぁどんな風にやったんだ?教えてくれ同じようにやってやるから」
「まっ!俺たちの勝手な判断じゃない、本人に確認を取ったそのうえで、死にたいと言われたんだ!」
膨らんでいく私とレンの魔力を感じてどうやら本気なことに気が付いたのか、顔を恐怖で歪ませている。
「俺はどんな風にしたのか聞いてるんだよ」
「し、知らない知らない実際に手を出したのは俺じゃないだから知らないんだ」
「あぁ?」
「本当だ!大体これは冒険者同士の暗黙の了解だろ!俺を責めるのは間違ってる!」
「……だったら直接手を出した人連れてきて」
「つ、連れてこれるわけないだろ、なにするかわからないアンタらの前なんかに」
「……連れて来ないと、本当に何するかわからないけど?」
「さっきの話が本当なら連れて来れるだろ?それとも……」
「わかった、わかったから連れてくるから!」
レンが腰につるしていた剣に手を掛けると、慌てて男は立ち上がり走って宿の中に入って行った。




