見るもの、見ざるもの
内容の句読点の位置などを全話変えてみました。
少しは読みやすいかと……
むしろ読みにくくなってたらショック。
読みにくくなってたらぜひ言ってください。
「……アスタルとの出会いは…そんな感じ……それから、」
「ちょ、っちょっと待ってね、そんな話を笑顔で話すとは思わなくておねぇさんに休憩くれない?」
「……むぅ…しょうがない……少し休憩……アスタルの話はこれから」
まだまだアスタルのことを全然話していないが、ミネルバにそう言われ仕方なく少しだけ休憩にする。
ふと今更存在を思い出してミスティの様子を見る。
ミスティは肩を上下にしながら涙を流していた。ついでに鼻水まで出しながら。
「……汚い」
「なぁっ!そんな言い方はひどいですよ、ねっ!ミネルバさんねっ!ひどいですよね」
「えっとウチは……ハハハ」
「ミネルバさんも汚いって思ってるんですか」
ミネルバの顔の近くまでミスティが近づき、それ以上言うなら付けるぞと鼻水を揺らしながら無言の圧力をかけている。
その時、助け船のように扉がノックされる。
「失礼します、あのミネルバさんギルドで見知らぬ人がミネルバさんを出せと騒いでるんですが……」
「それは行かん!早く行かないと!リリアちゃんは安静にしてることミスティちゃん見張りよろしくね……って何でついて来るの?」
「さっきの返事聞いてないので」
「……多分ギルド…騒いでるのは、私の知り合い……」
ミネルバは聞こえるようにため息をつくと、そんまま扉からギルドのエントランスに向かう。
私もその後ろをついていく、隙あらば逃げ出すために。
三人でその騒いでると言われてる人のもとに行くと、案の定すごい剣幕のレンが受付嬢に詰め寄っていた。
しかしその受付嬢も、満更でもない表情をしているのがさすがのレンだろう。
だが、わざわざ呼びに来るほどの騒ぎになっていないと思い、私がレンの周りを見渡すと、嫉妬心にかられた男性冒険者がレンより凄い形相でその光景を睨み付けていた。
それを見て多分抑えたかったのは、レンではなくこの冒険者たちの方だろうと察する。
「お待たせしたわね、ウチがミネルバよあまりギルド内で騒いでほしくないんだけど……チョーイケメンナンデスケド」
「ミネルバさんまたマスターに叱られますよ」
「それはダメ!あの無限書類地獄は絶対いや!!」
「ミネルバさんですか?俺レンって言いますあの聞きたいことが、って何でリリアがいるんだ?」
レンに本当のことを言ったら邪魔されるに決まってる、さすがにレンに邪魔されると私じゃどうしようもなくなる、上手にごまかさないと。
「……さぁ」
「さぁって……」
「レンさん聞いてください!むぐっ!」
ミスティが余計なことを言いそうになったので、身体強化をしてボディブローをお見舞いする。
危なかった……
「いや……リリア」
「……なんでもないから」
「それより、その子気絶してるぞ……」
「………………この子はよく気絶する、気にしなくていい」
「でもよ「それより……レンは何でここに?」そうだったミネルバさんっていう人に聞きたいことがあるんですけど」
「この状況をそうだったで済ませれるあたり凄いわね……まぁ聞きたいことは、大体予想できたわアスタル君のことでしょう?」
「そう!そうです!さすがリリア先に話を聞きに来てたのか」
「……えへへ」
「リリアちゃん中々恐ろしいわね……それで何が聞きたいのかしら?正直ウチより君たちの方がアスタル君については詳しいと思うわよ」
「アスタルを救出に向かった冒険者は今どこにいますか?」
「教えてもいいけど、聞いてどうするのかしら?もしあの子たちを責めるつもりなら教えられないんだけど」
「そりゃもちろんアスタルの居場所の手がかりを探すんですよ」
「いや……手がかりって……あのね」
ミネルバは途中で言葉を止め一瞬だけ私の方を見る。
続きの言葉が出るまで少し変な間があったがまた話始める。
「その前に一つだけ聞いてもいいかしら?」
「なんですか?」
「もしアスタル君が見つからなかったら、レン君はどうするつもり?」
「見つからない……そ、そんなことは絶対なので考えるだけ無駄です」
「あなたたちはどうしてこうも両極端なのかしら……はぁわかった、でも一つだけ条件があるわ」
「条件?」
「そうリリアちゃんを見張ってること、それが出来るなら教えてあげてもいいわよ」
「リリアを?なんで、どうしてですか?」
「リリアちゃんアスタル君に会いたいって言って自殺しようとしたらしいのよ、私たちじゃどうしようもないしお願いできるかしら?」
私はやばいと思い身体強化をしてその場を動いた瞬間、レンに洋服をつかまれ無理やり止められる。
「何やってんだよリリア、お前が死んだらアスタルにどう説明すればいいんだよ」
「……レンこそ、現実見た方がいい……だから離して」
私とレンのにらみ合いが始まるが、その間にミネルバが割り込んでくる。
「喧嘩は厳禁!それで冒険者のことなんだけど、ギルドの近くに快晴って宿が安いからみんなそこに泊まってると思うわ」
「そうですか、ありがとうございます」
「いいのよ、くれぐれもリリアちゃんのことよろしくね」
「はい!よし行くぞリリア」
レンは私を無理やり引きずりながらギルドを出た。




