決戦
また、ブックマークが増えている!!!
こんなに立て続けに増えると、思ってなかったので、壊れたと思って何度も、読み込みしてしまいました。
本当にありがとうございます!もっと、良い作品が書けるように、頑張ります。
--レインside--
「なぁ、シュプレイ?」
「ん?どうしたのレイン?」
魔術師団の隊の先頭にいるシュプレイに話しかける。
「本当に、今からその貴族の坊ちゃんと対決しないといけないのか?」
「ははっ!レインは昔から、そういうの嫌いだよね」
「当たり前だろ!?こっちは命がけで毎日訓練してんだよ、金だけある中途半端な奴が来たら困んだよ」
「まぁ私もそれ自体には、賛成だよ?」
「じゃあなんで受けたんだよ?しかも、特殊部隊を作れだっけ?ふざけてるだろ」
昨日の最終的にシュプレイが了承したことが気に入らず、ついつい当たってしまう。
「レインはさ知らないだろうけど、今から来る子達はすごいんだよ?」
「すごいって……所詮学生の中だろ?そんな奴今まででもいくらでもいただろう?学園主席で伸びきった鼻してる奴の鼻折るなんて、いつもやってるだろ?」
「ふふ、そうだね、レインはわざわざその子の素性を探って、その子が知っている格下だった先輩とわざわざ勝負させたりする、っていう結構きついことしてるもんね」
「効率いいんだよそっちのほうが、学園と兵士の質の違い教えるのは、まぁ馬鹿にしてた先輩にやられる顔を見たいってのは確かに、俺の趣味だが……」
ついつい癖で顎鬚を触るが、シュプレイがおどけた様子も無く真剣に俺を見ていた。
「別にレインのやり方を否定したいわけではないんだけど、今回受けたのは私たちじゃないと単純に対応出来ないからだよ」
「ははっ!お前の心配性も相変わらずだな」
「レイン……油断しないでね?何回も言うけど、今日来る子たちは学園レベルじゃないからね?それに、私はその子たちが絶対自分の部下に欲しいから……手なんて抜いてたら、喰われちゃうよ?」
「…………お、おう」
シュプレイの、久しぶりに見るマジな感じに思わずたじろいでしまう。
「来たみたいだね」
見た感じどう見ても普通に学園にいそうな子供なんだけどなぁ……シュプレイの心配性はこれだから。
俺は、適当に自己紹介をして、適当に終わらせようとしたが、
「負けた時のことは、初めて聞いた……聞きましたけど、まぁ問題ないですよ」
「……負けないから」
はは!なるほどね、こんなに鼻が伸びたやつ初めて見たわ!
「そうか……はは!威勢が良いな」
適当に済ませるかと思っていたが、予定変更だ!兵士をなめたこと、後悔させてやる。
俺たちは兵士たちに場所を開けさせそこに移動する。
こんな大口叩くと思って無かったのか、シュプレイも珍しくキレている。
「シュプレイ……マジでやるぞ?」
「はぁ……私ずっとそう言ってけど、まぁ気持ちはわかるよ」
そう話していると俺たち四人に一人兵士が近づいて来る。
そして開始の合図がされる。
「シュプレイ!牽制だ、決めてくれてもいいぞ?」
「わかってるよ!我に集えっ!まずい!よけろレイン!!」
シュプレイが詠唱を中断して俺に指示を飛ばす。
「なっ!詠唱聞こえてないぞ!?」
俺の目の前には炎で作られたランスと、水で作られたランスが飛んできていた。
俺は落ち着いて身体強化をした後、二つのランスをよける。
「はは!まじかよ……」
避けた先に、レンと言っていた男の子が迫ってきていた。
「あ、あぶねぇ……」
レンが横に振った剣を、ギリギリで躱す。
「さすが騎士団長ですね」
レンが俺に剣を向けて構えた姿を見て少し後悔する。
刃がつぶれた訓練用の剣を使っている俺に対して、レンは自分で持ってきている生きた剣を使っている、この差は後々効きそうだと、一回の攻防で予想する。
「シュプレイ!!」
牽制を入れもらおうと指示するが、返事は帰ってこない。
一旦距離を取り一瞬だけシュプレイを確認すると、向こうのお嬢ちゃんの魔術の対応でいっぱい、
いっぱいのようだ。
にしても、何でこいつらの魔術は詠唱が聞こえてこねぇんだ?
俺がなぜか聞こえてこない、詠唱の対策をしようと頭を回すが、その時間もくれないようにレンが近づいて来る。
「チッ!」
レンが振るった剣をいなしながら少し考える余裕が出来ていた。
こいつの身体強化は俺より上か、だが剣術では負ける気がしねぇな!
レンが上から振り下ろした剣を躱し、そのまま体制を崩す。
「これならどうだ?」
俺はレンに向かって、力を込めずに最短でただ早いだけの突きを放つ。
「防御魔術か!」
確実に入ると思った攻撃は、風の魔術によって阻まれる。
「レイン!先にリリア君を!」
シュプレイからそう聞こえ、俺は顔を向けずにそのままリリアと言っていた少女に駆ける。
「させませんよ!」
駆けたと同時に風の魔術で吹き飛ばされる。
「もしかしてお前、魔術と身体強化同時にやってるのか?」
「そうですが?」
さっきの突きを防がれたのはリリアの援護かと思っていたが、どうやらレン自身が放った魔術らしい。
「冗談……詠唱聞こえないどころか、並列魔術かよ……」
シュプレイなみの魔術を使いながら、剣術も身体強化で俺並みの戦闘をするレンに嫌気がさしてくる。
「はは……確かに、学生レベルじゃねぇな」
「どうも、ほめ言葉ですよね」
そう言っている、レンの表情にはまだ、余裕がありそうだった。
確かに、魔術じゃあ勝てないかもしれねぇが……剣術さえ勝ってれば何とかなる。
「シュプレイ!先に俺はこいつをやる!すまねぇが、お嬢ちゃんを押さえておいてくれ!」
シュプレイからの返事は無いが、了承したものと勝手に判断してレンに向かって駆ける。
スピードでは勝てねぇが、まだ付いていける速度だ!
レンの剣を受けながら、素早く突く。
俺の最短の突きも、レンには対処出来る範囲のようで難なく躱していく。
俺は躱した先に回り込み、手首を狙って今度は力を込めて突く。
予想通り風の魔術を使ってくるが問題ない、今までの速さを重視したものではなく、全体重をかけ全力を込めた突きで魔術を強引に突きぬく。
俺の突きは威力こそ落とされたが、正確に手首を狙ったがレンが無理やり手首をひねることで、何とか躱す。
しかし、無理に避けようとした結果握りが甘くなった剣めがけてもう一度振りぬくことで、レンの剣を落とすことに成功する。
「確かにすげぇが、型のまんまだな」
俺はレンに向かって剣を寸止めする。
確かに、シュプレイが欲しいって言ってただけのことはあったな。
これからどう育てるか楽しみだ。




