叶わないなら
初めて!200PV超えました。
とても嬉しいです!もっともっと更新頑張ります!!
って言っておいてなんですが、今回の話は少し短めです。
ごめんなさい。切りが良い所で、切るので長くなったり、短くなったりします。
でも更新は頑張るので応援よろしくお願いします!!
「さて出発デス」
男は僕を引っ張り上げながら、乱暴に馬車に乗せる。
馬車の中には、派手な格好をしている男女が乗っていた。
「もしかして、こいつが言ってた新しい奴か?」
「団長、もしかして、コレの世話私たちにさせないわよね…」
そう言いながら、馬車の中にいた二人の男女が、僕に近づいて来る。
もういい…何もかも、どうせ僕の願いは、叶わない…ならもう考えるのは、願うのは辞めよう。
全てを諦め僕は、目を閉じて深い眠りについた。
背中に走る衝撃で、僕は目を覚ます。
「いつまで寝てるんデスか?さっさと行きますよ」
僕を買った男は、鞭を片手に僕の顔を睨みつけながら言う。
その後に髪を引っ張りながら、馬車から僕を引きずり降ろす。
そこには、大きめのテントが張ってあり、横に小さいテントがいくつか並んでいた。
そのまま、ズルズルと引きずられ、小さいテントに入っていく。
背中も髪も痛い…多分痛いんだろう、あれ痛いってなんだっけ?
「あへへへ」
なぜだかわからないが、笑えてくる、開いたままの顎からは、奇妙な笑い声が止まらない。
「気持ち悪いデスネ……ここがあなたの部屋デス」
僕の目に入ってきたのは、いくつもの並んだ檻に、動物が押し込まれていた。
男はその牢屋の一つを開けると、僕を投げ入れる。
「じゃあショーの時間になったら呼ぶデスヨ」
男はテントから出ていった。
「ぁぁああああああああ!!!」
僕はどうしたんだろう、何で僕は今叫んでるんだろう……わからない、わからないわからないわからない。
「うるさい!!もう何!?」
男が出ていった後に、馬車にいた女性が入って来る。
「あぁぁああああぁああああ!!!」
「うるさいって言ってるでしょ!?」
女性が、牢に手をかけ僕にわめく、
「あへっへへへ」
僕の笑い声を聞いた瞬間、その場にあったモップを手に取り、僕の喉を思いっきり突いて来る。
「ヒュッ……ヒュッ……」
「次騒いだら、こんなもんじゃすまないわよ!!」
モップを投げ捨て、女性は出ていく。
あはははは!笑えてくる、こんなもんじゃすまないんだって!どうせ僕は、どんなに願ったって死ねないのに、あんな奴に僕が殺せるわけがない!あはははは!!
僕を殺せるのは二人だけだよ、レン、リリア、早く、早く、急いで!
僕を殺しに来てよ!
--レンside--
「殺ぞ!!」
俺の言葉が、ギルド内に響き渡る。
「た、確かに少し足を引っ張りましたけど!」
「少しだと!?お前がいなけりゃ、スカージは全滅出来てた!お前のせいで、どんだけ被害が出るかわかってるのか?」
もう俺は、我慢の限界だ。
いつ以来かわからないが、声を荒げてクライスの胸倉を掴んで、殴ろうとする、リリアも止める気が無いのか、ただ黙って睨みつけている。
「レン様お辞めください、そのような物に触れると汚れてしまいます」
拳を振りぬくが、何者かにその拳を止められる。
「ウィル……なんでここに?」
その手の主を確認すると、俺の家で執事をしているはずの、ウィルアムがいた。
全然気づかなかった、いつからいたんだ?
「ここのギルドマスターから当家に連絡がありまして、レン様とリリア様のお二人が冒険者をお辞めになろうとしてるとか、それに、これは噂なんですが、学園も辞めるつもりなんだとお聞きしまして」
「ウィル俺は……」
「旦那様がお話があるそうなので、お迎えに上がりました。リリア様の父君もおいでです、さぁ行きましょう」
ウィルは、俺の言葉を聞くつもりが無いのか、聞かないようにしているのか、話を遮り俺たちをギルドの外に出そうとする。
「あぁそうでした、先ほどのレン様の会話聞かせてもらっていたんですが、依頼失敗したようですね、あなたのせいで……レン様の経歴を汚されて、ダインズ家がどうするか私にはわかりませんが、それ相応の覚悟をしておいて下さい」
その場に、顔を青くしたクライスを残し、俺たちはギルド前に止めてある馬車に、無言で乗り込んだ。




