表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歩みの過去  作者: んやな
1/32

魔法学園

更新頑張ります

応援よろしくお願いします!!

カーテンの隙間から入ってくる光に誘われて目が覚める。


布団から状態を起こし、小さく何にもない部屋を見渡しながら脳が起きるのをゆっくり待つ。


「今日も学校か…」


憂鬱な体を無理やり起こして、朝食の準備をする。


軽く朝食を取り、学校の指定の制服に着替えてすぐに家を出る。


玄関の前には、深紅の髪をした青年と対照的な青い髪をした少女が立っていた。


「レン、リリアおはよう」


「おう!おはよう」


「アスタル…おはよう……」


リリアと呼ばれた少女は、まだ眠たそうに頭をフラフラさせている。


「リリアまだ眠そうだね、毎朝僕なんか迎えに来なくていいのに」


そう言うと、口を開かず首を横に振って拒否する。


「アスタル、俺たちは来たくてきてんだよ」


そう言って、ニッと白い歯を見せて笑いかけてくる。

リリアもそれに同意するように首を縦に振る。


「はは、ありがと二人ともじゃあ学校行こうか」


乾いた笑いを出した僕は、それに気づかれないように言葉をつないだ。


学校に着くと、いつものようにレンとリリアの周りに人だかりが出来る。


レンは困ったように対応をし、リリアはいつもどうり興味なさそうに視線を向けている。


その集団の外に、自然と出された僕は先に教室に向かおうとする。


「僕は…先にいってるね…」


一言断りを入れようとしたが、集団の声にかき消されていく。

僕は沈んだ表情を噛み殺し、いつもどうりの表情を作ると教室に向かうため先に歩き始める。


「ちょ…ごめん」


先に行こうとしている僕が見えたのか、そう言いながら集団をかき分けて出てくる。

リリアもそそくさとその後をついて来ているようだ。


「悪い悪い、でも学校まで一緒に来てるのにいつも先に行こうとするなよな」


そう言いながら二人は、僕の前に周り込んでくる。


「うん……ダメ」


「ごめん、でも…二人ともいっつも囲まれて大変そうだから」


僕に追いついて来た二人に、そう言い訳をしながら残された後ろにいる集団に少し視線を向ける。


集団は、僕の方を睨みながらヒソヒソと話をしている。

集団が話している内容も想像はつく、僕は集団の視線から逃れるように二人に視線を戻す。


「落ちこぼれのくせに…」


ボソッとそう誰かがつぶやいたのが背後から聞こえてきた。


「誰だ今言った奴は!」


レンがそう叫びながら、後ろの集団を睨みつける。

リリアも嫌悪感を出しながら、後ろの集団睨みつけている。


「もういいからさ…ほら行こう?」


集団に背を向けたまま、二人をなだめるように言う。


「でもよ……」


「僕のことなら大丈夫だから行こう」


校舎に入ると、二人とは違う教室なので途中で別れ、そのまま自分の教室に向かう。


二人と別れて一人になるとすぐに、陰口が僕の耳に入ってくる。

直接言ってくる人はいないが、僕に聞こえるようにしゃっべっている。


うつむいたまま長く感じる廊下を歩く。


教室の中も廊下とさほど変わらない、クスクス聞こえる笑い声、嫉妬の目、馬鹿にしたような暴言、


「はぁ…」


「おい!お前さ喧嘩売ってんの!?」


たまたま、僕の溜息が聞こえたであろう男子生徒が、睨みながら近づいてきた。


「いや……別に」


「あぁ!?なんか文句があんだろ?」


「そんなこと……」


無いとは言うことは出来なかった。


「レンさんとリリアさんの、後ろくっつくだけの落ちこぼれが!俺はそういう奴が大っ嫌いなんだよ!」


「そんなつもりは無いよ…」


溜息を吐いただけでこの言われようだ。こんな扱いを受けなければならない現実が嫌になり、すでに俯き気味だった僕の体勢は自然とさらに下に下がった。


「お前さいい加減気づけよ、あの二人の優しさに付け込んで、近くをちょろちょろと!迷惑なんだよ!」


「迷惑……」


「そうだよ迷惑だよ!学園で歴代最強の天才二人に上手く取り入って僕も!なんて考え全員お見通しだよ、落ちこぼれのお前のせいで、あの方たちの経歴が汚れるんだよ!わかったら落ちこぼれは落ちこぼれらしくおとなしくしてろよ!」


「うん……ごめん」


何に対して謝っているのか何が悪かったのか、僕にはわからないまま頭を下げる。

文句を言いっていた男子生徒は、最後にレンとリリアには言うなよと、しっかりと釘を差して満足げに帰っていく。


落ちた気分で、溜息が出ないように気をつけながら、自分の席に座る。

少し離れた席では、さっきの男子生徒が言ってやったぜと、声高々に喋り周りは良く言った、スッキリしたよ、なんて会話が聞こえてくる。


はぁ…


今度は僕は、口から出さずに心の中で大きく溜息を吐いた。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ