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隣の花は赤い  作者: メガセリオン
起きた
22/23

想定外の連続5

 高堂さんの後に付いてエレベーターで2階まで上がり、この階に複数ある相談室の内の一つに入った。

「んじゃ、まあ簡単に、なんでわざわざうちの病院に来てくれたのか聞かせてくれよ。塔野君の場合、ただ血液検査するだけだったら家の近くの病院で受けてくるだろうから、何か事情が有ってここで受ける気になったんだろう?」

「ええ、当事者としてはひたすら不気味な事件でしかないのですが……」

 俺は高堂さんに今まで起きたことを説明した。

「……という話でして、俺には昨日の出来事が一体なんだったのか、検討が付きません」

「……マジで? 塔野くんがそんな面白い冗談言うわけないのは分かってるけど、これはちょっと簡単には信じられないな〜。えーと、一応志穂ちゃんにも確認とるけど、この話全部マジ? なんか別の事情があるけど話すの恥ずかしいとかじゃなくて?」

「は、はい。全部本当です。というか、そんなことでも起きないと、多分、私なんかが塔野さんと会うこともなかったと思います」

「うーん、言われてみれば塔野くんが行く所に女子大生と出会いそうな所はないね〜。そうか〜、女の子と一緒に血液検査なんて予約してくるから、てっきり、とうとう塔野くんの口から浮いた話を聞ける時が来たか〜なんて思ってたんだけど、残念だね〜」

 浮いた話? 今の話に何かが浮遊する可能性を示した部分があったとは思えないが……比喩表現だろうか?

 彼女の方は意味を理解できているのかどうか様子を見てみると、何故か顔が紅潮し、こちらに目が合うと顔を背けていた。彼女は今の高堂さんの発言の意味を理解しているようだが、この反応は一体どういうことだ?

「まあいいや、とりあえず二人とも一階で採血してきて。話を聞いた限りだと、血液からは何も出ないかもしんないけど、もし何か解れば連絡するから」

「ええ、頼みます。それと、この話は他言無用です」

「わかってるよ。っていうか、君以外の人がこんな話しても誰も信じないから大丈夫だけどね」

 俺と彼女は席を立ち、相談室を後にする。

 階段を下り、一階の採血室に向かうと前に着いた所で、俺は彼女に話しかける。

「これから先、血液検査以外にもいくつか身体検査を行うと思うが、それを全て終えた結果に何の異常も確認できなければ、すぐに普段の生活に戻っていい。だから、それまで辛抱してくれ」

 こう言い残して俺は採血室に入った。

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