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隣の花は赤い  作者: メガセリオン
起きた
16/23

謎の日常の始まり3

 結局塔野さんの家に戻った後は、昼間は家から持ってきたゲーム、夜は塔野さんのPCでネットサーフィンっていう、ここが塔野さんの家ってことと、三時間置きに塔野さんとメールをするってこと以外はあんまりいつもと変わらない半日を過ごしていた。

 私が遊んでる間、塔野さんは元の体に戻る方法を探ってると思うと申し訳ないけど、私が手伝ったところで今は何も出来ることがないから仕方ないよね......。

 日付が変わる頃に、私は今朝に脱いだパジャマをもう一度着て寝ることにした。

 男の人の着替えは楽だな~。特にブラジャーを着けなくてもいいのは本当に楽。下着との組み合わせとか考えなくて済むし、まあ私じゃそんなの気にしても意味ないんだろうけど……。

 私はパジャマに着替えながら、包帯を外す。電源の入っていないPCのモニターを鏡代わりに使ってみると、首には怪我一つ無かった。

それにしても、まさかこの首の包帯がマジックの道具だったなんてね......全然想像できなかったよ。

塔野さんが言うには昨日の晩に、長い付き合いのある相手に何も無い所から物を取り出すっていうマジックを披露する時に使った仕掛けで、それを外さないでそのまま寝ちゃっただけで、怪我をしてるわけじゃなかった。予めこの包帯に取り出す物を引っ掛けといて、さりげない動作で首の後ろに手を回して取り出す、とっても簡単でマジックっていうより一発芸みたいな仕掛けだけどその相手の人は死ぬ程驚いてたから大成功、ってメールで話してた。

 部屋の電気を消して、パジャマに着替えた私は布団に潜り込んで横になった。思ったより布団の寝心地は良いけど、あんまり体を動かしてないせいか、塔野さんの体は寝付きが悪い。

 明日は一限の授業……は行かなくて良くて、代わりにお昼頃ファミレスで塔野さんと待ち合わせて病院に血を採りに行くんだった。そうやって少しずつ私たちの体について調べることだけが、私たちが元の体に戻るためにできる唯一のことだから……。

 でも、これから何をするばいいかわかってても、この状態がいつまで続くか分からないのはやっぱり不安だな……。はあ……こんなこと考えてても、本当に不安になるだけだし、もう寝ないと。

 こうして、この2012年7月14日という、私の人生に最も劇的な変化を与えた日は終わった。






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