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隣の花は赤い  作者: メガセリオン
起きた
13/23

今後の方針3

 深夜に三十分放送してるってことは、もしかすると寺泉さんが録画を頼んでた番組って……。

「奴の言っていたのはこれだな。この番組も連ドラで撮るようになったら、奴のハードディスクはいよいよ容量限界を迎えるだろうな」

「あっ!」

 やっぱり、あの落語アニメだ。……寺泉さんとは結構気が合うかも。

「ん……どうした? 何か思い出したのか?」

「い、いえ、なんでもないです。ただ単に、そのアニメ、私も見てるってだけの話で……」

「なんだ、それだけか。そういえば、君の引き出しの中にもアニメキャラのフィギュアがあったな。不思議に思ったのだが、何故かあれだけ引き出しにしまってあるんだな。他の縫い包みは部屋の至る所に配置されていたが」

「え……あ、あれは、部屋の雰囲気に合わなかったから、置いてないだけですよ」

 引き出しの中に変な物入れておかなくてよかった。それにアキラくんのフィギュアの意味には気づいてなさそうだから、きっとPCの履歴は見られてない……と思うけど。

「あの~、私のPCって……」

「ああ、パソコンの中を見ようとしたんだが、パスワードが掛かっていて見れなかった。携帯の方も同様にな」

 これからはちゃんと履歴消しとこう。中を覗かれてドン引きされる前に。

「ところで、君の大学の講義は今日の場合何時限目にある? それと今日は他に予定はあるか?」

「えーと、今日は一コマも授業はないです。予定も……ない……です」

 ホント、悲しいくらい予定がない。

「ほう、君は一コマと数えるのか、覚えておこう。何もないのなら好都合だ、今日はお互いの日常生活について確認し合おう。まずは……」

 グゥー

 私のお腹の音が鳴った。私というか、塔野さんのお腹だけど、凄く恥ずかしい……。

「……昨日は夜飯を抜いていたんだ。まずは朝食を取ろう。この家には今、カップ麺とモヤシしかないので何か買ってこよう。俺が買い出しに行っている間に、着替えを済ませてくれ。そこの引き出しから、適当に選んで着ていい」

 塔野さんはそう言って布団のすぐ近くの引き出しを指した後、ハンガーに掛かっていた上着のポケットから、一万円を抜き取って靴を履いた。

「それでは行ってくる。誰か人が来たら、居留守を使ってくれ」

 こうして塔野さんは買出しに出掛けて行った。


 ここまでが、私と塔野さんの出会った時の話だ。

 

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