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孤独の境界  作者: 四世夜
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(1) プロローグ

こんなひよっこを拾ってくださってありがとうございます。読みにくい所などがありましたらご指摘いただけると感謝します。

君は大切な人、そうだなぁ、親、兄、姉、弟、妹、恋人、もちろん双子の弟でも。誰でもいいけど、そんな大切な人が、目の前で極一刻と命を削られているとしよう。


助けられるのは自分だけ、でも、その人を助けると自分は死ぬ、という状況だとしたら、君は黙ってその人の命が燃え尽きるのを見ているかい?


僕はそうはしなかった。必死で助ける手立てを探したんだ。でも、さっき言ったように、僕の大切の人は僕が命を投げなければ助からなかった。




だから僕は……………。














「セアッ」


威勢のいい掛け声とともに、俺は半人半牛の『B級獣神:ミノタウロス』に斬りかかった。奴の右手から巨大な斧が落ちる。


「モグアァー」まだまだやる気満々のようだ。いやそれとも怒ってるのか。


奴は、切れかかっていた自分の右腕を苦しそうに引きちぎり、潰してから俺に投げてきた。


「うわ、汚ね」


目くらましだとわかっていても俺は、その核となっているであろう肉片を二つにブッタ切ってしまった。しかし、あとから飛んできたブツが顔に当たり、赤紫色の血をまき散らかす。


「くそ、汚いんだよ」


そう言い終わる頃には、ミノタウロスも左手で斧を持ち振り下してきた。


「モギュワァー」


剣でのパリィを試みるが、斧の軌道を少し変えた程度だった。


「クッ」赤いライトエフェクト、ではなくちゃんとした鮮血が宙を舞う。だが痛みは極少ない。


「これで決める」


俺は最近会得したばかりのソードマジックの構えをとった。


ミノタウロスがこっちに向かって突進して来る。その刹那。


束縛する蜃気楼リストリクションズ・ミラージュ


技の意味はわからんが、辺りに蜃気楼が発生した。それ(・・)がミノタウロスの動きを止める。このスキルは火属性らしい。その証拠に束縛されたミノタウロスは、どんどんと焦げていく。


「うわ、意外と地味だったー。なら、ラストアタックはこれで」


ため息をつきながら俺は構えた。


闇の天罰(ダークネス・ネメシス)


闇の霧がミノタウロスを包み、二秒後にはそこに半人半牛の姿はなかった。代わりに奴がさっき使っていた巨大な斧と奴の皮や角などが置いてあった。それを前に俺は膝をつき祈りを始める。誰か相手と闘った後は必ずこうすると決めているからだ。


「優輝、いつも俺を守ってくれてありがとう。必ず生き返らしてあげるから待っていてね。あとミノタウロスの中の人(・・・)。怒ってるとは思うけど安心して成仏してください」


いつもの習慣を終えふと気がつく。視界の隅にインフォメーションマークがあった。そこを押す。すると、


『優夜おめでとう、闇の天罰のスキルレベルが69から70へ上がったことを伝えにきた』


説明を聞きながらミノタウロスがドロップしたアイテムをコントロールパネルを開きアイテムストレージに入れる。


「あ、ありがとう優輝。もう70か、たしかこのレベルだと、スキルの名前とか手数が変わるんだよね」

『あぁ、技名は『闇の天罰(ダークネス・ネメシス)』から、『闇の神罰ダークネス・プレグリー』になったぞ。あと、技のモーションが少し変わる、構えは一緒だから慌てなくていいぞ。要件はこれだけだから、じゃまたな』


すこし不安な気持ちになりそうだったが、優輝のために頑張らなきゃ、と足に力を入れ立ち上がる。


「そろそろ帰るか」


聞いてくれる人がいないから自動的に独り言と、いった分類に配属される言葉を発しながら、俺は遠い過去の記憶を思い出していた。そう、俺がまだ向こうの世界(・・・・・・)でなんとか生きていた頃の優輝の思い出を………。








「患者心拍数低下!早くオペルームへ!」

「がんばれ、がんばれもうちょっとだからな」


僕は顔色が真っ青な弟、優夜の顔を見ながらそう呟いた。オペルームに着いたようだ。一言二言注意を聞かされ外に出された。手術中と書かれた表示灯が光る。


暗い病院の中、表示灯だけがぼんやりと光っている。ただただ僕はそれを見つめてい…た…。



手術の途中で眠ってしまったらしい、ふと腕時計に視線を落とすと、すでに開始から四時間も経過していた。それから母をなだめながら待っていると、一人のナースが出てきて「成功です」と、満面の笑みで言った。

だが、


「手術自体は成功しましたが、どうしても治せない器官が見つかりまして」


少し元気のない声でそのナースは言った。


「え、どこなんですか、優夜は治るんですか」


母はそんなあどけない声でナースにしがみつく。


「心臓に異常が見つかりました」


静かな声でナースは続く、


「移植が…、必要かと考えられます」

「え!?」


思わず声を出してしまった。


母は固まったまま動けないらしい。やがて長い静寂を切ったのは僕自身だった。


「え、でも、ドナーは見つかるんですよね」


後ろから手術が終わった医師が出てきて言った。


「難しいでしょうね。しかし、まだ移植するような病気なのかどうかもわからない状態ですので…」

「と、言いますと?」


顔を覆い隠すように泣いている母とは違い、僕の心はすごく落ち着いていた。


「いまだかつて発見されていない病気なんです。あらゆる名医にもこちらで連絡をとってみますので。それと、移植と言うのは、私の経験から言ったことですので、最悪の場合はそれもやむを得ないかということです」


医師はとてつもなくか細い声でそう言った。


「ようは、優夜は助かる可能性が少ないということだろ、はっきり言ってくれよ」


きずいたころには僕は怒っていた。いや、少し違う。恐怖?不安?絶望?


「な☓ぼく☓☓××……………。






そこで、昔の記憶は途切れている。あっちの世界を思い出すときはなぜか知らないが、優輝、俺の双子の兄の記憶になってしまって、俺自身の記憶が全くないのだ。唯一あるのが、手術が終わり俺の感覚で一日たった日のことだけだ。その記憶は俺の夢の中での出来事だった。


気がつくと()が聞こえてきたのだ。


『おぬしの兄は交通事故で死んだ。おぬしが心臓の病気で倒れてから丁度三日後の出来事だ。今もおぬしの体の中には、心臓の病気が残っておる。そこでわしが考えたのが、ちょっくら異世界にでも飛んで、おぬしらを助けられる方法を見つけて来い。ってとこじゃ』


不思議な気持だった。怒りでも悲しみでもなかった。夢の中なのに頭が空っぽになったのを今でも覚えている。


『おぬしは優輝、それと、おぬし自身を助けたいか』

「助けたいし、守りたい」


迷いという言葉は皆無だった。


『よかろう、ではおぬしの体のこともあるので今すぐにでも』

「ちょっと待って、俺のタイムリミットっていつ頃なんだ」


これだけは聞いておかんと…。


『わからん』


予想どうりっていうか、呆れたってか。


「わかった、じゃ早速よろしく」


あっちの世界で最後に思ったこと。それが、「しかし、こいつ何者だったんだ?」で、あったことは今でも忘れない。


読んでくれてありがとうございます。自分のペースで書いていきますので、こいつ遅いんだよとか、はやく投稿しろよとか思わないでください。

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