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新月

作者: 神山 備

「真由子、治ったらもう一度抱かせろよ」

あたしはそう言った拓海のちょっと薄くなった頭を叩いてやる。そんなことをしても今の拓海は怒らない。私の何気ない一言にすぐ切れた瞬間湯沸かし器のあんたはいったいどこに行ったの。

 もしあたしが、

「嬉しい、頑張ろうかな」

なんて言ったら、逆に困るクセに。外してあるつもりだろうけど、指輪の痕くっきり残ってるよ。どうせ、ここにくる直前に外したんでしょ、バレバレじゃん。その証拠に、

「元気になるんだったら、拓海はヤダな。でもさ、もういよいよの時には今生の別れに抱かれてやってもいいよ」

って言ってやったら、

「なんだそれ、そんな崖っぷちの奴抱いても嬉しくない」

と言いながらも、あんたは明らかにビビってる。冗談だよ、あんたに最愛の奥さんを裏切れなんて言わない。


「男と女の友情は成立するか」

って聞かれたら、拓海は間違いなくYesと即答するだろうな。確かにあたしたち、些細なケンカで恋人としては別れちゃったけど、お互い別々に結婚しようが、拓海に子供ができようが、私が旦那と別れようが友達としてはずっと続いている。

 だけど、あたしの答えはNoなんだ。あたしは、男として、あんたが、奥さんを一途に愛しているとこも含めてあんたが好き。

 そんなこと言っても拓海困るよね。だから、表向きは最後まであんたの『良いお友達』を演じきって見せるよ。どうせ、取り繕うのもそう長い時間じゃないだろうから。

 

 拓海、最愛の人。私の最期の時を彩ってくれてありがとう。


「男と女の友情は成立するか」

という話を夫としていた時に思いついたモノ。

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― 新着の感想 ―
[一言]  男と女の友情は成立するかという問い対して私はNOに一票投じます。  理由はいくら友人と言っても男側には少しばかり下心というものがあるからです。  形として友人関係が成立していても、それは表…
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