エピローグ
「ふぅ…。やっと終わったよ…」
「お疲れ様。格好良かったわよ?」
「はい! こんなに皆から好かれているなんてすごいです!」
「うん。滅多に見ないよね、あんな人気ぶりは」
戻ってきたシオンに、少女達の労いの言葉がかかる。
その労いを受けながら、シオンは椅子に座り、大きくため息を吐いた。
「はぁぁ…。でも、ここからが始まりだ。やらなきゃいけないことは、たくさんあるんだから」
「じゃあ、あたしたちも手伝うわよ?」
「はい。私は王国側ですけど、だからこそ出来る事がありますから!」
「私も私も! 絶対こっちの方が楽しいもん! トレジャーハンターやってるより、絶対に食い扶持稼ぎやすいしね!」
「皆…」
約一名不純な考えが混じっている気もするが、それもいつもの事なので、シオンは素直に感謝していた。
一人でできることは少ない。だからこそ、協力しあうのが人間なのだ。
そうやって人は集まり、国になり、世界になる。
その事を、シオンは今まさに噛み締めていた。
「ありがとう。僕は、一人じゃないよね」
「当たり前じゃない。それに、あたしの生きる意味はあなたなのよ? だから、あたしはあんたについていくわ」
「恩人には一生をかけて報いろって言われましたからね。これぐらいは当然ですよ!」
「うんうん。楽しくないと! 私の決意は、シオン君がくれた。笑っていられる世界…一緒に作ろう!」
「うん! 皆、これからもよろしく!」
そして、少年と少女たちは手を取り合った。
これが大きな一歩。
これを、世界に広めていく。
それが、この世界を変えていくものだと信じて。
そして、この想いこそが『決意』。人を動かし、繋げていく。
決意こそが、『想いの力』なのだ。