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プロローグ



天空に輝く、紅と蒼の月が浮かぶ世界『アクレニア』。


そんな世界には、大きな大陸が二つあった。北と南。一つの大きな大陸が、まっすぐ横に分断されたように別れた大陸に、二つの国があった。


北の大陸に居を構える『エスカレルニア王国』。


南の大陸に居を構える『フォーゲルノート帝国』。


二国は独自の発展を遂げながらも、お互いを尊重し敬った。時折現れる、魔物からの恐怖を協力して打ち払い、手を取り合いながら生きていた。


森羅万象の理を統べる、魔法と呼ばれる力によって世界は繁栄の極みにあった。


そして、その魔法が扱える者の事を、『魔導師』と呼ぶ。


だが、魔導師は一人では魔法を扱うことができない。


その森羅万象の理を統べる存在として、世界を構築する者の一つに『聖霊』と呼ばれる者たちが存在しているからだ。


聖霊とは、魔法を生み出すに当たって必要不可欠である、魔力の流れを制御するもの達である。


人と聖霊、この二つが協力してこそ魔法は生まれ、力を扱うことが出来るのだ。


さらに、聖霊は森羅万象という人智を越えた力を扱うがために、種族が分けられていた。


炎の聖霊『フレイヤ』。水の聖霊『アクティア』。氷の聖霊『アイシー』。風の聖霊『ウィンディア』。土の聖霊『ロイス』。雷の聖霊『サンディア』。光の聖霊『ブリネスア』。闇の聖霊『ダルネスア』。時の聖霊『エヴィデンス』。


九つの存在へと分かれた聖霊は、人々に九属性と呼ばれて敬われていた。


そして、人々は穏やかに聖霊との調和の生活を維持しながら、平和の時を過ごしていた。


だが、そんな平和に影が落とされる。


エスカレルニア王国の辺境の農村が魔物に襲われたのだ。


その事件については、あまり珍しい事ではなかった。魔物が村や町を襲う事などは頻繁にあったからだ。


しかし、襲われた村の住人は口を揃えてこう言った。


『あんな魔物は見たことが無い。まるで、騎士団のように統率されていた』と。


無論、誰もがそんな話を信じるはずがなく、事件は有耶無耶のうちに時の流れに飲み込まれていった。



その影で、暗く、深い闇の思惑が蠢く事も知らずに。





これは、二つの異なる輝きを持った月と、魔法と呼ばれる森羅万象の力によって栄える世界、『アクレニア』で起こる、一人の少年の決意と一人の少女の断罪の物語。






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