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聖王の章

ナインヘルツ暦1000年代の半ばを過ぎて。


中央大陸にて覇王ミヅキが大陸統一を目の前に没してから数多の年月が過ぎ、


南の大陸で眠っていた獄冥戒竜が目覚め、再び猛威を奮い始めた。


またほぼ時を同じくして神々の施したナインヘルツの封印が全解放された。


中央大陸の南東に浮かぶディスハウンス島を統べる心優しきカーン王は


民と共に舞踏と音楽と祭りを愛するただただ凡庸な王であった。


しかし突如現れたナインヘルツが第八・海の魔獣リヴァイアサンにより


己が国を一夜で滅ぼされ、カーン王は一昼夜の間、天と己を呪い続けながら


一人鎮魂の舞踏を踊る。


舞踏が終わると7人の女性が一振りの剣と共にカーン王の前に現れ、


恭しく頭を下げて言った。


陛下のお力になりたく、参上致しましたと。


また女性は続けて言った。


もしもお望みがあれば、この剣はふさわしい姿となって陛下をお助けになるでしょうと。


怒りや憎しみであれば魔剣へと。


快楽や飢えを満たすのであれば邪剣へと。


ですが救世を望むのであれば宝剣へと。


或いは真に己の心が清廉であれば聖剣へと。


果たしてカーン王が剣を取ると、途端に島を覆いつくすほどの光が溢れ、


光が収まるとその手にはかつて神々が精霊や妖精達と共に創り出したという神話が、


希望の銘を冠する至高の星剣エスペランサーがあった。


カーン王は7人の女性を娶り王妃とし、彼らは共に滅んだディスハウンス島を空に浮かべて


ナインヘルツの大封印に乗り出した。


神の如き超魔力によって天空を泳ぐ島は世界各地を巡り、


カーン王自らの体をもその星剣の光に灼かれながら第一を除く全ての再封印を成し遂げる。


八つ目の封印が終わるとカーン王の体は崩れ落ち、7人の王妃がそれを優しく抱きとめた。


7人の王妃はカーン王の亡骸を島へと帰し、弔う。


星剣はカーン王へと捧げられ、共に島で眠る事となる。


7人の王妃は最後に一言だけをカーン王へと残して何処へと姿を消した。


その後、各地の王はカーン王のその偉大な業績に賞賛と心服を以って聖王の銘を贈った。


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