外伝之壱 幻獣騎士団
ナインヘルツ暦4800年。
フィーラル大陸東部のツァオ国に王室近衛軍第一独立騎士団――通称幻獣騎士団が創立された。
初期団員数は16名と限りなく少なく、その後も総団員数は30名前後と極めて少数の騎士団として動いていた。
彼の騎士団はその数々の行いによって世界中で有名となる。
そう。悪名として。
例えば曰く。
他国との親善仕合いで騎士団長が見習いの少年騎士に完膚なきまでに叩きのめされた。
例えば曰く。
騎士団長が散歩しているとゴブリンに誘拐された。
例えば曰く。
頻発した大地震の解明に動いて地下に潜れば、掘り進んだ事による地盤の緩みで危うく生き埋めになりかけた。
このように数々の珍騒動を巻き起こし、幻獣騎士団は晴れて『世界最弱騎士団』『騎士団の汚点』『Jack in the Box』『お笑い騎士団』などと世界で嘲笑されることとなる。
ツァオ国民もまた自国の評判を下げる幻獣騎士団に頭を痛めているものの、騎士団員達は至ってのんびりと市井に入り浸って暮らしており、民衆とは親しくなっている。
騎士としては頼りなくとも、色々と民を助けたり困ったことを手伝ってくれたりと民衆の認知度は高く、またその人当たりから愛すべきおばかさん達と苦笑と共に受け入れられていた。
なお、幻獣騎士団のお給料は税金で支払われておらず、各自自給自足となっている。
※この話は大嘘でできています。
モデルはFSSのミラージュ騎士団とぶっちゃけてみます。