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【御前会議】 ――会議室クロニクル―― 〜全ての物語の裏舞台。キャラクターたちが次の世界をかけて激論を交わすメタ・ドラマ〜  作者: Taku
コラボ企画:対戦code トーナメント戦

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20/27

第1話「開幕:10人でトーナメントは組めるのか」

【冒頭】

『観測者の時空』番外編の「対戦企画」と『御前会議』メンバーのコラボ企画ですが、本編を知らなくても楽しめる独立短編です。お好きな入口からどうぞ。



―――中継セクター・試合前―――


カノジョが、円卓の上に広げられたトーナメント表を覗き込んでいる。


彼女の手には、今日もラムネの袋が握られている。カレシは端末を開き、何かを解析している。雇い主は、まるで何かを考えているふりをしながら、コーヒーカップを手に持っている。


カノジョが円卓の上の白紙を指さしている。まだ線も名前もない。


「これ、トーナメント表なんでしょ? まだ何も書いてないよ」


カレシは、その横で端末の数字を確認しながら、淡々と口を開く。


「参加者十名。普通の形式では成立しない」


雇い主がコーヒーを置きながら言う。


「芸術は形式を超える」


「……トーナメント表が先です」


カレシが、冷たく返す。雇い主は、少しだけ口を噤んだ。


カノジョがラムネを振る。


「まあ、なんとかなるよ!」



―――御前会議室―――


円卓に、十人のメンバーが集まっている。

博士は端末を開き、隊長は腕を組んでいる。


スターはギターを抱え、女将はコーヒーの準備をしている。


青年は椅子を回し、学生は緊張した面持ちで座っている。


カノジョはすでにラムネを開けており、カレシは手帳を開いている。


雇い主は、何かを考え込むように顎に手を当てている。


監査役が立ち上がる。彼の手には、一枚のトーナメント表が握られている。


「本日より、対戦Codeトーナメント戦を開催する。参加者は十名だ」


その言葉に、カノジョが首をかしげる。


「え、八人じゃなかった?」


「十人だ」


カレシが、即座に訂正する。


「確かにここには十人いる」


博士が、眉をひそめる。


「なぜ最初から間違えるんだ」


「細かいことはいいじゃないか」


雇い主が、のんびりと口を挟む。


「細かくありません」


監査役が、冷たく言い放つ。


「トーナメント表が成立しません」


「じゃあどうするの?」


カノジョが、首をかしげる。カレシが、冷静に説明する。


「普通のトーナメントなら、十人では綺麗に組めない」


カノジョは言う。


「じゃあ、増やす?」


博士は怪訝な表情を浮かべ、カノジョに問いかける。


「誰を?」


「通りすがりの猫とか!」


監査役が努めて冷静に対処する。


「猫でトーナメント表を埋めるのはやめてください。猫汚染率が跳ね上がります」


博士が、提案する。


「ならば、シード制を導入すべきだ」


「芸術的感性でシードを決めよう」


雇い主が、胸を張る。監査役が、即座に却下する。


「却下します」


「何故だ!」


「感性は経費で計測できません」


会議室が、一瞬で騒がしくなる。


カノジョが、ラムネを口にしながら、にこにこと様子を見ている。


カレシが、手帳に何かを書き込む。


隊長が、立ち上がる。


「とりあえず、戦えばいいんじゃないのか!」


「戦う前にルールを決めろ」


博士が、言い返す。


「ルールがなければ、戦いは成立しない」


「論理ばかりだな!」


「行動だけでは、勝てない」


その時、長老が、静かに口を開いた。

これまでずっと沈黙を守っていた。彼は、円卓の端で、ただ穏やかに微笑んでいる。


「……まあ、よいではないか」


その一言で、会議室の空気が変わった。

誰も、反論しなかった。

カノジョが、嬉しそうに笑う。


「なんかすごい適当な感じになったね!」


カレシが、深いため息をつく。


「……予想はしていた」


監査役が、端末を操作する。


「では、対戦カードを発表する」


彼の声が、会議室に響く。


「第一試合:博士 vs 隊長。テーマは『迷ったとき、どう決断するか』」


博士は端末を閉じ、隊長は盾を握りしめる。


「第二試合:スター vs 女将。テーマは『人を動かす言葉とは』」


スターはギターの弦を弾き、女将は静かに微笑む。


「第三試合:雇い主 vs 監査役。テーマは『創作に必要なコストとは』」


雇い主はコーヒーカップを置き、監査役は端末を構える。


「第四試合:青年 vs 学生。テーマは『未来をどう見るか』」


青年は椅子を回すのをやめ、学生は緊張したようにノートを開く。


「第五試合:カレシ vs カノジョ。テーマは『助言とは何か』」


カレシは手帳を閉じ、カノジョはラムネの袋を置いた。


「以上だ」


会議室に、静寂が訪れる。


誰も答えなかった。


でも、その沈黙が、答えだった。



―――中継セクター・発表後―――


カノジョが発表されたカードを指でなぞっている。


「カレシと私、あるね」


カレシは手帳を閉じたまま、何も言わない。


雇い主が小さく笑う。


「予想が外れるのが、この会議の面白さだ」


「私の優勝予想は私だ!」


「……記録しました」



【観測記録:対戦Codeトーナメント戦】


開幕。


参加者:10名(+長老は審判)。


トーナメント方式:未確定(随時決定)。


優勝予想:カレシ(本人)、雇い主(本人)、カノジョ(カノジョ)。


猫汚染率:現時点では安定。


次回、第一試合「博士 vs 隊長」。迷ったとき、あなたはどう決断するか。



──次回予告──


「論理か、行動か。迷ったとき、君はどちらを選ぶ?」


博士「フローチャートに従え」


隊長「前に出ろ」


博士「危険だ」


隊長「動かねば始まらない」


次回、決断の行方。

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