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Betrayal within betrayal(6)

 琉乃は松田の目の前でひざまづいた。そして松田の手の甲にキスをした。

「忠誠の証です」

「そうですか。それではその証拠を見せていただきたいものです」

「証拠、ですか? 」

「先程も言った通り、あの二人の所業は見るに見かねます。特に壮馬さまの存在は邪魔といわんばかりない。貴方の医学という知識で罰を与えるというのはどうでしょう? 」

「それはつまり? 」

「貴方は医師として誇り高い。だがその命の貴さに意味づけをするとしたら壮馬さまにその意味はあるのだろうか、と私はずっと考えていた」

「確かに、松田さまの言うことには一理あります。ただわたしとしては倫理的な思考も持ち合わせております」

「私はその倫理をあの二人に崩されたんです。あなたの忠誠をみせてくださいませんか。見事に成し遂げたら、私の秘書人の立場を与えましょう。さすれば医学や薬についてもっと発展的に政治として介入を許しましょう」


 松田は椅子に深々と座った。そして琉乃に手の甲を差し出した。琉乃は伏し目がちに笑った。そして松田の手を取った。

「仰せのままに」

 甲にキスをした。


 官邸の外が騒がしいことに気が付いた。松田が剣幕を立てた。

「衛兵! なにごとだ⁉ 」

「はっ! 申し訳ありません、そ、それが…… 」

「琉乃さま! どうか、どうかお助けください‼ 」

「大石さん⁉ 」

 衛兵の後ろから大石が割って無理やり官邸に入ってきた。

「どういうことでしょうか、大石さん」

 松田が真っ赤な顔をして大石を睨みつける。

「壮馬さまが…… 壮馬さまが倒れて意識が朦朧としているんです」

「…… 」

 琉乃は松田をみた。松田は相変わらず真っ赤に顔を染めていた。


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