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Betrayal within betrayal(4)

 診察室では琉乃が順々に患者を診ていた。

「でね、琉乃先生。私はもう壮馬さまの政権に飽き飽きなのよ」

 琉乃が背中の聴診を終え、もういいですよと伝えたが、患者は民としての主張を世間話として話してきた。

「松田さんは私たち民の家、一軒一軒を訪れてくれてこれから何が必要なのか丁寧に熱心に話してくれてね…… 」

 琉乃は診療記録をつけながら患者を見た。

「懸念されていた感染症の疑いもないので、今日はこれで結構ですよ」

「まあ、ありがとうございました琉乃先生」

 患者が診察室から出て扉が閉まる時だった。


「北山壮馬政権に我々は異議を唱えるぞーー‼ 」

「おーー‼ 」

 民の壮馬政権反対者のデモが起こっていた。デモが起こってから数日が経っている。

(もうそろそろね…… )

 琉乃は椅子に深く寄りかかった。… ぎい、と 鳴った。


 省庁では閣僚・官僚たちが集まり会議を行っていた。壮馬の後ろには大石が控えている。

「以上、民鈴木一家の救出失敗、都の感染症の拡大懸念を招いた事項、引いては昨今の水の整備不良による感染拡大による民の生命が脅かされた3点を用い、北山壮馬氏の不信任決議案を可決する」

 官僚たちが皮肉めく拍手を贈った。閣僚の中には橋本・羽柴・深田が目くばせをしている。

 壮馬は静かにそこから立ち、一礼して会議室を出ていった。大石もそれに従い、一礼をし、壮馬の跡を追った。

「…… 壮馬さま」

「大石、何も言うな…… 」

 会議室はそのまま湧きだっていた。

「皆さん実はですな、最近松田くんが民の間で好評価でしてな。どうだろうか、次の総理大臣に松田くんを推すというのは…… 」

 橋本が雄弁を始めていた。官僚の一人が呟いた。

「橋本さんは財務大臣という立場柄、大きな力を持っているのは確かだもんな。ここぞとばかりに前に出てきたな」

「ああ、そうだな」

 会議室には高らかに拍手が鳴っていた。



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