第六章
少し待っていると盗賊が戻ってきた。
アジトを攻略されたとも考えないこいつらは、とてものんきに仲間とくっちゃべっている。
俺は思う。今から消えることを考えず死ぬあいつらに。
俺はアジト内にいた奴らと同じようにして消そうとして腕を変化する。
背後からやろうと後ろに回って、やろうと思ったが、最後は正々堂々やろうと何故か思ったから、後ろから現れて戦闘に無理やりさせるため、俺と盗賊たちを俺が作った結界に閉じ込める。馬車に乗っていた囚われたオーガたちも一緒に結界に入れてしまったが大丈夫だろう。
この世界で作る結界は、作り出す者の力もあるが、外と中どちらかに耐性を多くつけることもできる。言ってしまえばそれは弱点にもなる。中側に耐性をつけすぎると、外からなら簡単に結界を壊せたりできるからだ。でも俺は外も中も同じくらいに耐性をつけているから俺より強くない限りこの結界は、壊される事はない。
囚われた盗賊らはとても動揺していた。
一人が混乱する。しかしそれを慰める者はいない。
他の者たちは俺の方を向いて武器をを取り出す。
「なぁ、あんたがやったのかお嬢ちゃん」
「……」
舐め腐ってやがる。俺は嬢ちゃんでも坊ちゃんでもない。なぜなら、俺!、無性だから!。
「黙ってないでなんか答えろよ!」
こいつらは本当に腐っているらしい。
「はぁ、もういいか?」
そう言って俺は歩きでる。
前にいる奴らが笑いながら俺を指差しているのをもう見てないふりをする。
一人は俺のヤバさを知ったか尻を地につけていた。若い女性だ。
俺は簡単に人をやってきたが、女は例外として考えることにしているのだ。だから彼女は生かしておこうと思う。
そう考えていると笑っていた奴らが、笑いながら走って迫ってくる。
片腕を上げて振り下ろす。すると風圧が生まれ、走ってくる奴らを吹き飛んだ。
「ぐはっ!」
吹き飛ばされた奴らからは大体同じような重い声が聞こえた。
奴らは、俺に吹き飛ばされて結界に直撃したのだ。
女性の方を見ると、尻を地につけていた女性は何故か泣いていた。俺に怯えているのだろうかとも考える。
彼女の姿はボロボロの服を着ていて、その上にまたもボロボロなフード付きのマントを着ていた。服が破けたりして露出している肌には大きな痣や、怪我が見られる。ボロボロ服の元の設計で肌が見えるところも同じだ。フードをかぶっているせいで顔は見えない。
「ちっ……、奴隷か……」
小声だとはいえ、口に出してしまった。
奴らは立ち上がり俺に向かってこようとしないから俺は彼女の方に歩きでる。
目の前で立ち止まり俺が問う。
「お前、無理やりやらされてるのか?。奴隷なのか?」
彼女は俺の顔を見て目を大きく見開く。おそらく、殺されると思っていたからだろう。
「ちょっと待ってろ」
俺は彼女の頭に触れ、彼女に『奴隷の呪い』がついているかもと思ったから叡智者に解析してもらって、もしあったら除去してもらうつもりだ。
「告、解析した結果、奴隷の呪いが付いていることがわかりました。除去しますか?」
(他にもあったら一緒に除去してくれ)
「了」
叡智者はそう言って呪いを解除した。
呪いをつけたまま話してもらうのは良くないと思ったからだ。
「あとはこコイツらを始末するだけだから待ってろ」
そう言って彼女に触れいた手をひいて倒れている盗賊に近寄る。
今度は斬り殺すのではなく盗賊らの魔力や、魔素を吸い取って殺すことにした。
全然俺の魔力や魔素は減ってないが、ちょこちょこ溜めておいたほうが良いと思ったからだ。
魔力や魔素は、普通だったら制御範囲を超えて持っていると暴走するらしいが、俺には関係ないらしい。なぜなら俺には、無限に違い保管庫があるからだ。この保管庫はそう言ったエネルギーも保管できるらしい。でも空気からは吸い取れないらしい。
盗賊らの魔力及び魔素を吸い取ると、彼らは衰弱死したかのようになった。
「えっ……?、まじっ?」
魔力とかを吸い取った盗賊らは見てられないほどの姿になっていたのだ。
「オエッ……」
その姿を見ていたら急に気分が悪くなった。おそらくとてもグロテスクだからだろう。吐けない体なのに吐きそうになってしまった。
とりあえず見ないようにして捕食者で保管庫に収納し、あとは叡智者に任せることにした。
一応終わると俺は結界を解除する。そして奴隷だった彼女に近づき話を聞くことにする。
「もう呪いとかついてないから普通に話していいよ」
一応言っておく。
「やっぱり君奴隷だったの?」
「……、うん……」
うずくまってはおっているものをギュッと掴みながら返事をした。
声はとても可愛らしい声だった。
「どっ……、どう、して……、たす、けて、くっ、くれたの……」
怯えながらも俺に言ってくる。
「囚われた魔物たちを解放するために今俺、ここにいるから?」
なぜか疑問形になってしまった。
「ほれっ……」
俺はオーガに使った回復薬を彼女に投げて渡す。
「それ、体にかけても食べても大丈夫な回復薬だから」
そう言い残して俺はオーガたちが乗る馬車に向かった。
馬車の中のオーガたちは気絶しているようだった。しかし怪我を負っている者が大半だったためめんどくさいから全員に回復薬を投げて回復させた。
怪我とかは治ったが、意識は戻らない。しかし死んでるわけでもないことを俺は知っている。
(もう出てきていいよ)
念話で言う。そうすると、隠れていた魔物たちとオーガの姫様が出てきた。
「本当に一人で簡単にやっつけるなんて……」
姫様がそう言う。
「これからどうするんだ?」
姫様に聞く。
この後どうするか決めてなかったのだ。
姫様は少し考えて俺に言った。
「とりあえずこの子たちとオーガたちを私たちの里で保護するとこにします」
「わかった、じゃあお前が里に着いたらお別れだな」
「わかりました」
そう姫様は返事をする。
「あっ、あの、私、貴方様に着いていってもいいですか?」
奴隷だった彼女が俺の回復薬で回復した体を動かしながら俺に少し歩み出て言ってきた。
「それってどう言うこと?」
言葉の意味がわからなかったから彼女に問う。
「そっ、その、貴方様の配下になりたいと思いまして」
そう言いながらフードを外し顔を出す。
彼女は獣人だったのだ。
耳がぴょこぴょこしている。
「べっ、べべっ、別に、良いけど……」
獣人が可愛いから許可したとは言えない。
「その話はコイツらと別れる時にもう一度言ってくれ、多分忘れるから」
ごまかす。
里に向おうとみんなが歩き出す。
囚われていた魔物たちは自分の足で歩き、オーガの子供たちはまだ気を失っていて馬車で運んでいる。
叡智者が言うに、里に着くまで気は失ったままらしい。
姫様はどこに里があるか知っているから先頭、獣人の彼女は俺の真後ろにいる。
どうやら結構里までの距離が長いらしいが、俺がドラゴンの姿になって里へ運んでいくのは却下された。特に姫様がだ。
(なぁ叡智者、転移魔法とかって俺持ってないの?)
早く終わらせたいと思い、叡智者に手っ取り早く着く転移魔法はないか聞いた。
「解、そのようなスキルは、獲得していません」
「へっ、だよねぇ」
「どうしたんですか?、急に」
「えっ?。俺、喋ってた?」
叡智者の回答にやっぱりと思ったのが強かったせいか、声に出てしまっていたらしい。
「いやっ、気にしないで。俺、独り言が大いいけど気にしないで」
「わっ、分かりました……」
「……」
ドン引きとまではいかないけど、引かれている気がした。
やっと中間地点まで来た。
中間地点まで来るのに二日半はかかっただろう。
囚われていた子もいるからずっと歩き続けることはできないから結構なスパンで休憩をはさみながらここまで来た。
半分まで来たから一日の休みを作ることになったのだ。
俺はその時間することが全然ないため、安全のため少し大きめの結界をはって横になる。
そう、俺は今から寝るのだ。とは言っても本当の眠りとは違う。俺の体はそもそも魔力や魔素がある限り、食料も睡眠も必要としないのだ。しかし、眠りの感覚を知っている俺だからこそ本物の睡眠とは違うが寝ようとする。
瞼を閉じる。
そして叡智者に頼んで睡眠に似た感覚を俺に与えるよう指示する。
「……」
「ねぇ……」
「……」
「君……、誰?」
「……」
あらすじ部分の注意の5番はどうか守ってくださいお願いします。




