第四章
俺は叡智者に近くで人間の存在があるか、どこを通ったか調べてもらうように言った。
「案、そこで気絶している人間の記憶をたどり、目的地を探るのが最適だと考えます」
どうやら俺より効率の良い方法を提案してきたようだ。
(そっちの方が安全ならそれでいこう)
叡智者に危険でなければいいよと言った。
どっちにしろ最終的には戦闘するんだからどうでもいい話ではあるが、やるならあまりはでにはやりたくない。
「あっ、あの……、そう言われてもこれからどうすればいいのか、検討がつかないのですが?」
(あっ……)
俺は無意識で思考加速を使っていたらしかったのだ。
「えっとな、少し待っててくれ。今いい考えを出してるところなんだ」
そう言っておく。
あまり叡智者のことを暴露しない方がいい気がしたからごまかして言ったのだ。
俺は少しして気絶している盗賊に近づいてかがみ、そいつのおでこに手をおく。
「何をしているんですか?」
俺の行動に不思議と思ったのだろう。
「こいつの記憶を除いてどこに行くかを知ろうとしてるんだよ」
そうしているうちに盗賊の行く場所がわかった。
どうやら盗賊らのアジトはここから二十キロぐらい離れた洞窟みたいなところにあるらしい。
「わかったぞ、盗賊たちのアジト」
一応彼女に言っておく。
「本当ですか?。よかった……」
「それで、どうする?」
「……、どうするってどういうことですか?」
「そりゃぁ、いつ攻めるかだよ」
囚われたオーガたちがアジトに着くと同時で攻め落とすというのがいい判断だと思うが、一応彼女の意見を聞こうと思う。
「囚われた同志たちがアジトへ着くと同時に助けるというのはどうでしょうか?」
どうやら彼女も同じ考えだったらしい。
きっと助けたいと思う者はそう判断するのだろう。俺は思わず当たり前のことだったのではないかと思ってしまう。
「じゃあそうしよう。ついでに盗賊のアジトもおとそうと思うが、いいよな?」
こんなことをする者には裁きを与えなければと思い言う。
「えぇ、大丈夫ですけど、そんなことできるのでしょうか?」
慢心ではないが、俺は竜種だ。さすがに負けることはないだろう。
「よしわかった。じゃあここまで行ったら待機しよう」
そう言って彼女に思念伝達をして待機位置を見せる。
このスキルは叡智者のスキルだが、別に俺が勝手に使ってもいいだろう。
アジト前の待機場所を見あったあと、少し記憶を深掘りしてアジトの内部を覗き見ることにした。
もしかしたら今救った他にも捕まっている者がいるかもしれないと俺はと彼女は思ったからだ。
思念伝達最中は相手の精神と簡易的であるがパズがつながっているから、言葉で話さなくても念話で話せるようになるのだ。
アジトの中を見ていると、子供のような影が何人か見えた。
(すっ、少し戻して影が見えるところに戻して)
(えっ?、やっぱりさっき見えた影って囚われた者たち?)
記憶を少し戻して影が映るところで止める。
(きっとそうです)
その映像を見るなり彼女は言ってくる。
これ以上情報を得られそうにないと思った俺は思念伝達を解除して話会うことにする。実際のところは彼女を落ち着かせるためだ。
「じゃあこの子たちをどうやって助けるか考えないとな」
彼女と考えると同時に、叡智者にもどう対処するか聞く。
「告、まず他の仲間がアジトに着く前に、アジトを攻め落とした方がいいと考えられます」
(早いな、さすが叡智者さまざまだな)
そう褒め称えていたら叡智者からまたもドヤ顔のようなさっきを感じたが掘っておく。しかし叡智者は俺らと違う案をできたのだ。
「さっき『考えないとなとな』と言ったけど、今運ばれている者たちより先にアジトの子供たちを助けた方がいいとわかったんだけど、それでいいよな?」
「どちらも助けられるのなら文句はありません」
「わかった。じゃあ今からその待機場所に向かおう」
「えっ?、しっ、しかし……、今から向かっても先回りできそうにないですよ」
不安そうに彼女が言う。
「安心しろ。俺は、竜種だ……」
そう言って俺は立ち上がり背中からドラゴンの翼だけを実態化させて彼女の手を取る。
そう、飛んでいこうと思ったのだ。
しかし飛んでいこうとしたら、下から見つかる可能性があると考え、同時に『認識遮断』という、周りから見えなく感知すらされないエクストラスキルを使用する。
エクストラスキルとは普通のスキルより威力や性能が倍違う一般スキルの強化版のようなものだ。
彼女の片手を掴んだままさっき実態化させた翼を軽く動かして安定させながら飛ぶ。
本当は翼がなくても飛べるが、翼がないと上手に安定しなくてバランスが取りにくいから翼を使って飛ぶ。見た目を気にして翼を出したのも少しある。
あらすじ部分の注意の5番はどうか守ってくださいお願いします。




