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1 「アウトサイダー」の本質は「深くものを見る」ということ
ここで取り上げる「アウトサイダー」とは、コリン・ウィルソンが『アウトサイダー』という著書(評論)の中で言及した人々のことであって、一般的な概念で「関係ない人」とか「局外者」という意味のアウトサイダーではない。
私は、コリン・ウィルソンが彼らを社会に対立した存在であるとしたことは妥当ではないと思っているし、『アウトサイダー』で言及された人々の全てが「アウトサイダー」と位置づけられるべきであるとも思っていない。「アウトサイダー」の本質とは「深くものを見る」というところにこそあると考えていて、それはコリン・ウィルソンの考えと共通していると考えている。(一部には、社会に対立していることこそが「アウトサイダー」の重要な本質であると考える人々さえ存在しているようだが、全然違うというのが私の考えである。そんな表面的なことだとは考えていない。)以下に、私自身の考える「アウトサイダー」について説明してみたい。