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再会


「…後一分」


騎士王と呼ばれし全騎士の頭目は言う。


私は円卓の間という場にて巨大な十字架に括り付けられている。


…痛い。



縄はぎりぎりの加減で縛られているものの


私にとっては非常に辛く拷問に近しい刑であった。


…けれど、


「残り十秒」


彼は何の変哲も無い声色で、

定刻を示した。


「…」


後は、願うだけだ。


私は目は瞑らず、


彼の振り下ろす大剣をまじまじと見ていた。


空気はちりっとし


斬撃のようなものを感じた気がした。


重く冷たいその影は


私を包み込み


全てを抹するには十分な気配を発していた。



ガキィィィィィィイイイイイイイイイイイイイイイイイイインンンン!!!!!!!!!!!!!!!



ーーー刹那、


大剣は吹き飛んだ。





圧倒的風速。


城内にも関わらず、


これはーーーーーーーーー






「〜〜〜〜〜〜っっっっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!」




見たこともない彼の形相。



死より死を覚悟させるその


強烈な鬼面は



騎士の長へと向いていた。





「まさか、本当に来るとはな」


第一声を発するは騎士王。


「下の騎士どもは何をしている?いやそもそも四騎士は……」


「全て倒しました」



!?




「いや正確には、注意を逸らしただけです。僕は極度に影が薄い。目立つ対象に注意を向けさせる事で不意を作り出す事ができる。僕は多対一には滅法強い。それは貴方も知っているでしょう、騎士王」



「…」



影が薄い事をここまで意気揚々と言うカレルに私は思わず吹き出しそうになってしまったが、雰囲気作りの勤しみに私も付き合う。



「僕の友人が…その可能性を最大限にまで引き上げてくれた。家で待ってろと言ったのに………」



「成程。貴様がそれ程ハイリスクな手段に出るとは思えんしな。その存在性の助言も彼から賜ったのだろう」



チリッ


次の瞬間には、


僕の頬に大剣が掠めていた



「〜〜〜〜〜〜くっっっっ!!!!!!!!」



第二撃を受ける前に、僕は後ろへと下がる。


だがそれも遅く、



その次には大剣は僕の腹を


突き破っていたーーーー



「ぐふっっっっっっっっっっ」



「カレル!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



ユーリアは足掻き悶え必死にその場で抵抗している。


何故これ以上彼女が苦しまないとならない?


何故皆彼女を不幸に陥れようとする?


何故、何故……………………


「…ユーリアがこれまで耐えてきた13年。それに比べればこんなもの………!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」



僕は剣を引き抜き


内臓がまろび出ようとも構わないという意思の下、


“風”のルーンの奥義を放ったーーーー



「風刃」




ドグワッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



全ては吹き飛び


僕自身も吹き飛んだ。



「ぐふあっっっっっっっっっ」



城の壁に勢いよく叩きつけられ


血反吐を吐く僕。


とはいえ勿論ユーリアには被害は及んでいない。



そのように最大限尽力したのだ。



ガラガラガラ……



向かい側の城壁は崩れ騎士王もその方へ飛ばされた様だ。



「…全く無駄な努力だ」



「…」



瓦礫の中から出でるかの王。


分かっていた。


僕の“風”のルーンでは太刀打ちなど出来ない事が。


気付いた時には僕の横には大剣が刺さっており黒い大きな影が僕を覆っていた。



「このまま殺すのも気が引ける」


「教えてやろう、彼女(やつ)の秘密を。」


僕はごくりと唾を飲み込んだ。



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