サーカス
すり鉢状の劇場。観客が席を埋めてゆく。
「すごい人気だなぁ。やっぱり」
「だっておもしろいものね。すごくスリリングでドキドキしちゃう」
「そうだよね。あんな技を人間がやるなんて」
「さー、いよいよ始まるよ!」
彼らが見るのは『サーカス』だ。生身の体で危険な技に挑戦する。動物が練習をし鍛えて披露する。もし失敗すれば、ケガをし最悪は死に繋がる。そこが人気なのだ。
次々出し物が行われていく。
サーカス団の団長がステージの中央で口上を述べる。
「さあロボットの皆様。次にお見せするのは、人間が命がけでお見せする空中ブランコの大技でございます!」
観客の期待が地鳴りのように湧き上がる。人間サーカスに。