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001日目:昼「水場を見つけて竹水筒モドキと石斧を作って焚き火の準備をする」

第一話を読んでくださった方ありがとうございます。

 俺の小麦色の肌を太陽が容赦なく照りつけてくる。日焼けサロンに通っていて良かった、生白い肌ではこの南国の日光に耐えられなかっただろう、殆ど全裸だし。


 南国……そうここは南国なんだろうか?ヤシの木があるし半裸でも暑いぐらいの気候、スマホに入れていた旅行の日程を見ると日本からハワイを目指していたはずだからここは太平洋上のどこかの島だと思うが……人はいるのだろうか?海岸線を歩いているが漂着物らしきゴミが見当たらない。


人がいて掃除をしているのか、それとも漂着物すら届かないような辺鄙な島なのか、もし人がいないなら。


「ギャーギャーギャー」

 右手を海岸線、左手を島側の林と歩いていた俺だがその左手側の林の奥で鳥のような動物のような声が聞こえた。近くではないようだがそれほど遠くでもない、俺は緊張で左手の杖代わりの枝を握りしめる。野生動物に襲われないかという不安が良い感じの枝を握りしめると薄れていく。


「おお川だ!」

 少々オーバーアクションな独り言だが熊は予め音を立てていればよっぽどの空腹でもない限り音に気づいて人間を避けると言うし、メンタルコントロールで壁に独り言を話しかけるのは有効だという話を聞いた事がある。俺をこんな状態で無人島に放り出して右往左往する様を楽しげに眺めてる船の人間もいるかもしれないから何かしらの動きをいれていこう。出ないと気が狂いそうだ。


「水深は浅いようだがドレ」

俺は良い感じの枝で川底をつっつきながら足首ぐらいしかない浅い川を進んでみる、万が一底無し沼みたいになっていたらこまるからの対策だが問題はなさそうだ。ヒルとかいたら嫌だがそうしたら海に入って海水の塩分で撃退しよう。


「これは湧き水か?」

俺は川を渡ると反対側の岸に沿って大きな岩場が連なっているのが見えたが、その岩場が途切れたところで水が湧き出していた。俺の背より高い岩から水が染み出し俺の腰の高さぐらいの岩にきれいな湧水が溜まっている、土や葉っぱがない綺麗な岩のくぼみにどうぞ飲んでくださいと言わんばかりに水が溜まっていた。


「美味そうだけど……流石に直接飲むのは最後の手段かな?」

俺が美味そうだと思ったらここにいり野生動物も美味そうと思って飲むだろうそうなるとエキノコックス等の寄生虫や病原菌が怖い。何か煮沸消毒する為の鍋のようなものや病原菌などを濾過する為の漏斗やフィルターになりそうなものを探すが海岸線には見当たらない。


「なにかないのか……アレは竹か?」

代わりに島側を見ると日本で見慣れた植物、竹を見つけた。何故南国に竹があるかわからないがここの気候に合っているのだろう。俺は割った石を握りしめて一本の竹に叩きつける。


節のちょっとした部分に石を叩きつけて切り倒そうとするが適当に割った石の切れ味は鈍く、途中で手が痛くなったので其のへんにあった木の皮を石に巻いて滑り止めにして作業を再開する。

根本を切り倒すと今度は切り口からひとつ上の節の上を同じように切っていく、そして竹を一節切り離すと今度は切断面に石を叩きつけて節に穴を開けて竹水筒を作り出す。


「これじゃあ口をつけたらケガをするなあ、それともコップは別に作るか?」

穴が開いてる方の切断面を川の中にある石にこすりつけて軽くバリ取りをしていく。

この水場を見つけて一時間以上かかってようやく完成させてこの中に水を入れて火をかければ煮沸消毒は出来るだろう。

中の水分が熱を吸収して火にかけた部分は燃え尽きないらしい。


「それじゃああ火を着けるかって、乾燥した草木はスタート地点だったな」

俺は完成した竹水筒モドキに割った石を入れて右手に持ち左手は良い感じの枝を持ってもと来た道を戻ることにした。竹水筒モドキを作る前に草木を乾かしておけばよかったがそれほど大した距離じゃないから回収することにした。年の為そのへんの木の皮を軽くほぐして日当たりの良い岩の上において石で固定する、同様に幾つかの枝や草を岩の上に置いて日光を当てるがもう日は随分と高くスマホを見るとお昼を過ぎていた。


「早くしないと夜になる……人を探すのは諦めて野宿の準備に入ろう」

 俺はスタート地点に戻るとほぐした木の皮や草は竹水筒モドキに入れて割った石を蓋をするように差し込み、枝は葉を落としたヤシの葉の茎でまとめて縛っていく。


「ここの、ヤシの実を取っておくか」

荷物をおいて良い感じの枝でヤシの実を突っついて落とそうとする。しかし微妙に届かないせいで本当に突っつくだけになってしまい、仕方がないのでやり投げのように何度か枝をぶつけて実が二個落ちた。


「折角手に入れたけど持っていけないなあ、なんかフロシキ作るか」

大きなフキの葉でヤシの実を包んでヤシの葉の茎で縛りつける、正直ヤシの葉の茎は今にも千切れそうだがとりあえずこの場をしのげれば良い、後でもっとちゃんとしたヒモを作ろう……イヤその前に救助に来てもらおう。

俺は道具を持って水場に戻ると薪になる木を探しに割った石と良い感じの枝とヤシの葉のヒモとフキの葉のフロシキを持って島を川上を登っていく。すると茶色い塊を見つけた。最初は動物の糞と思って良い感じの枝で突っつくが崩れることはなく、ひっくり返してようやくそれが松ぼっくりだと気づいた。


「松ボックリ?じゃあこの側の木って松?」植物の分布なんてものは詳しくないがサバイバル動画に出てくる場所に松とヤシの木はなかったはずだった、この島はなんなんだろう?もしかしたらここはスタジオか何か人工的場所で自分は見世物にされていないか?そんな事を考えつつも俺は松ぼっくりをフロシキで包み、松の木の表面落ちていた松の枯れ枝を集めてヒモでしばって水場に戻る。


「火を着けても薪が足りないか」

 俺は手の平に収まる割った石を眺めながら呟いた、薪になりそうな木はあるが切り出すにしてもこの石では小さいのは竹を切り出した時に感じていた。


「もう少し大きい石で斧が欲しい」

幸い水場の周りは川の下流なのに何故か大きな岩と石がゴロゴロ転がっていて材料に事欠かなかった。

俺は手頃な大きさの石と、岩に張り付いていた蔓植物をに、杖にするには短い良い感じの枝を見つけ適当に岩に叩きつけてそれっぽい刃部分を石に作り、石と枝を重ねて何重にも葉を落とした蔓を巻きつけて縛り上げる。もう少し時間があったら枝に穴を開けて石斧の刃部分を通して蔓で縛ってしっかりと固定しただろう。


「今は時間がないからとりあえずこれで、そりゃ!」

適当な出来栄えの石斧を持ってあたりを散策し、直径10センチぐらいの枯れ木に石斧を叩き込む、ガンガンと数回叩き込むと枯れ木は切り倒された。重さと遠心力を生かした石斧は片手で持てる程度の割った石より断然早い。


「ここで焚き火を作るか」

何本か木を切り倒して水場と川から少し離れた所にある大きな岩と岩の隙間の近くに持ってくる。隙間は人一人入れる程度で高さもあまりないが隙間の下は平らな岩が地面に埋まって岩の床になっていた、地面に直接寝るよりマシだろう。とりあえず暗くなる前に火を付けるか、スマホのライトがあるとはいえ明るいうちに作業を済ませたい。



ダイザン・リキの所持品

スマホ

ヤシの腰ミノ

フキのサンダル

良い感じの枝

割った石

ヤシの実

フキのフロシキ

乾いた草木

松ぼっくり

竹水筒モドキ

適当な石斧

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