担保美少女との帰り道
流石に手を繋いだままこんなところに居たら、他学年の奴らにも見つかり明日俺が受ける視線の量がさらに増えそうだと思ったので俺は、耳を真っ赤に染めたまま佐伯さんを引っ張って学校の外に出た。
しかし、自分から手を繋いできた癖に佐伯さんは先ほどから、ぶつぶつと何かいってらっしゃるようで会話が全くない。どうしましょう?(おかま風)学校の女子と喋ったの何て久々だとりあえずここ一ヶ月はない。外でなら近所のおばちゃんとか、バイト先に来る女のお客さんなら喋っているが基本全員が年上なので、同年代の子と何を喋っていいか分からん!やほー知恵袋で至急話題は何が良いか聞きたいレベルである。
「あのさ、佐伯さんの家ってどこ?」
「ほわぁ!?あ、あ私の家はあっち方面だよ」
佐伯さんは急に俺に話しかけられてびっくりしたのか、マヌケな声を上げて俺の質問に答えてくれた。とりあえず無難な話をしてみよう。沈黙が辛いので
「へぇ、俺は一回駅まで行くんだけど佐伯さんも?」
「いや、私はここから徒歩で来てるから駅は使わないよ」
「じゃあ、家から学校に行くの楽そうだね。俺なんて毎日満員列車の中で、おじさんのきつい大人のフェロモンを我慢しながら学校に行ってるから毎日大変だよ」
「大人のフェロモンって、それ絶対加齢臭のことでしょ〜(笑)でも、やっぱり電車通学って憧れるなぁ。何か大人になった気がしない?」
「ああ、それは分かるよ。確かに中学校までは徒歩でしか登校していなかったから、高校になって電車通学するってなったら確かにワクワクしたよ。でも、佐伯さんは電車乗るのは危なそうだね」
「…?何でそう思うのかな?」
佐伯さんは俺の言った言葉の意味が分からず首をコテンと可愛らしく傾けて不思議そうにしている。こういうあどけない感じがあるのも彼女が学校で人気がある理由なのだろう。
「いや、佐伯さんって可愛いからさ通勤ラッシュとかの時間なら痴漢とかに合いそうだなって思ってさ」
「か、可愛い//」
あれぇ、何か思ってた反応と違うぞ〜。
『ここは私ほどの美少女ならしょうがないよね〜』
ってなるのを期待してたんだけど何普通に照れちゃってるんですか!?あんた学校でいっつも言われてるでしょうが、こんなモブの賛辞なんざいつも言われてるでしょ!はっ、もしや学校とかの場所って沢山の人に見られてるから褒められて…嬉しいのを隠してるのかもしれない。
『あいつニヤニヤしてるよ、うざくね』
『顔がいいからって調子乗るなよ』
って思われないようにか、なるほどね。人間の女という生きるのが大変な生物についてまた一つ俺は詳しくなったようだ。男に生まれてよかったー、そんなの気にせずイケメンとか言われても普通に俺ニヤニヤしそう、そんで友達にキメェと言われてうるせぇとか言い返してそれが笑いの種になってしまうのだから男は単純でいい。
そんなことを考えていると、駅が遠目からでも視認できる距離になっており、佐伯さんは駅使わないからそろそろお別れの時間のようだ。
「じゃあ、佐伯さん俺このまま駅に行くからそろそろ……………」
「待って!」
「ん?」
俺はもうこの距離で行く場所なんて無いし何かかあるんだろうか?と疑問に思い佐伯さんの方を向いた。そして彼女は覚悟を決めた顔でこう言った。
「私と連絡先交換しない?」
そして、俺が思った一言はこうだ、クラスのグールプから取れば良くない?
最後の文章で主人公が非リアな理由が分かるよね。
いつも通り、評価やレビューポイント、ブックマークの方をお願いします。
明日はこの時間に傷心幼馴染み投稿します。