異世界召喚編 7
魔王に連れられ会場に着く。会場といっても城の一室で、とてつもなく広い場所だった。
すでに魔族たちが20人ほどおり、テーブルには豪華そうな料理が並べられていた。
入室し、僕らの姿を見ると魔族たちがざわついていた。
「皆、静まれ、この者たちが異世界からの召喚者たちだ。」
魔王が言うと会場が引き締まる。
「一人一人自己紹介をお願いいたします。」
カレンさんが言う。
「四天王が一人、朱雀と申します。よろしくお願いいたします。」
背の高い、真っ赤な長髪でオールバックにしている男だった。赤いスーツを着ており、ピシっとした印象だ。
「四天王が一人、青龍よ。よろしくね。」
とてつもなくグラマーな女性だった。青みがかった黒髪で、ショートカット。気が強そうな感じだ。青いスーツを着ていた。
「玄武だ。よろしく。」
それしか言わなかったのはとにかくごつい男だ。無口な感じなんだろう。スキンヘッドでスーツを着ているとアレにしか見えない。
「びゃ、白虎です。よろしくです!」
幼女だった。白いスーツを着ているとコスプレにしか見えない。
「四人が我が国の東西南北を統べる四天王だ。戦闘能力は高いぞ。皆、能力が発現したら鍛えてもらうといい。」
他の方々が後ろで控えているのを見ると、付き添いなのだろう。パーティー参加者はこれですべてのようで、立食形式で歓迎会が始まる。こちらの自己紹介をし、適当に散って食事をとる。俺はめぐみと行動し、一緒に食事をとる。いつもより飯がうまいのは言うまでもない。
「こんにちは。シヅキくんとめぐみさんだったっけ?よろしくね。」
「青龍さんでしたね。よろしくお願いします。」
「青龍でいいわよ。シヅキくん、いい感じね。オーラを感じるわ。あなた、強くなるわよ。」
「ん、そうですか。自分ではわからないですね。ただ、強くなれるならそれに越したことはないですね。」
「行き詰ったら協力してあげるから、あたしのとこに来なさい。手取り足取り指導してあげるわ。」
「ありがとうございます。」
ふと、めぐみのほうを見ると、何やら険しい顔をしていた。
「ど、どうかした?」
「鼻の下伸びてるけど?」
まったく意識していなかったが、伸びていたらしい。やってしまった。
「いや、そんなことはないだろ。ないはずだ。」
「青龍さん、スタイルよくて美人だもんね。しょうがないよね。」
「いや、まったく興味がない。」
「あら、寂しいわね。興味がないなんて。」
「いや、興味がないわけではないのですが・・・」
「やっぱ興味あるんだ。」
どうしたらいいんだ!?何が正解なんだ!?とパニックになっていると二人で笑い始めた。
「ごめんごめん。ちょっとからかいたくなって。」
「シヅキくん。女性と接しなれてないのかしら?」
「・・・二人ともひでぇな。」
そんなこんなでパーティーは終わる。一通り四天王とも話したがいい奴らだった。ビックリしたのが、四天王も大会に出るというところだ。召喚者以外に各国3枠まで出場枠があるらしい。
最大で24枠で、召喚者枠が15、各国枠3×3、もし出られない者がいれば、当日受付があるらしい。
俺らみたいに全員残るわけじゃなく、帰るって選択している奴らもいるかもしれないしな。
俺とめぐみは家へ帰った。