ここから始まるハーレム計画
私の名前は一条蒼。高校二年生で趣味はギャルゲー。今日もまた好きなキャラに貢ぐため、アニメショップという戦場に行ってきました。今はその帰りです。
え?何でギャルゲーなのって?んー 何というか…一目惚れ?お兄ちゃんが暇つぶしでやっていたギャルゲーをたまたま見たら、物凄い好みの女の子が写っていたのだよ。今思えばあれがギャルゲーにハマるきっかけだったんだよな…。
っと、物思いに耽っている場合ではなかった。ここは横断歩道だ。しかも信号無いから交通事故が多発している場所だ。気を付けて渡らないと車にはねら「ガゴンッ」……oh 滅茶苦茶痛いぞ。許すまじ車の運転手。目の前に見えるのは新品だったエリナちゃんグッズ。…手前のせいで新作のエリナちゃんのグッズがボロボロじゃねぇかよぉぉぉぉ!ひき逃げか ひき逃げか!何か車が遠ざかっていくと思ったら… こうなったら車のナンバーをダイイングメッセージとして書いておこう。私の視力なめんなよ。
そこで私の意識は途切れた。
「ここどこ?」
気が付くと私は何もない真っ白な世界に立っていた。そして目の前には…
「ここは次元の狭間だ。」
無駄に顔がいい無駄に偉そうな青年がいた。大事なことだから繰り返し言いました。だが残念。男は今のところ守備範囲じゃないんだよねー。真っ黒い髪に真っ赤なつり目は私好みだけど。
「時の狭間?何その中二病的な名前は。もっとましな名前は無いの…。ところであんたは誰?」
「いきなり失礼な奴だなお前は… まぁいい 俺はお前の担当神 グエンだ。」
「担当神の神って神様の神?」
「あぁ」
…まじか 神様に失礼な口聞いちゃったよ私。
「そろそろ本題に入るぞ。お前をここに呼んだのは他でもない。
手違いで死んだからだ。」
「ちょっと待てクソボロになった私のエリナちゃんはどうなる。」
間髪入れずに聞いた。
「それはその… すまん。」
…希望は途絶えた。
「脱線したが話を戻すぞ。で、手違いで死んだお詫びに好きな世界に転生させてあげようって上で話が決まったんだ。ありがたく思え。」
「上から目線だな、おい。」
「それでいきたい世界とかあるか?」
「スルーかよ。…まぁいい いきたい世界?二次元可能?」
一応確認してみる。これはある意味私の人生でのテンションを決める選択だ。
「ある。」
「おっしゃぁぁぁぁぁ!じゃあさじゃさっ “海神の巫女”っていうギャルゲーに転生したい!」
「いいぞ。決まったならそこに立て。」
そう言って指さしたのは不思議な模様をした陣だった。
ちなみに“海神の巫女”というのは私が前から好きなギャルゲーだ。ん?ギャルゲーの世界に行けたらどうするのかって?それはもちろん私を中心とした女の子のハーレムを作るんですよ。フハハハハハ え?今とっても悪い顔していた?あらやだ。
陣の上に立つと、突然回りが光り出して意識が途絶えた。
「好きな世界に転生させてやるとは言ったが、周りの環境については一切保証しないからな。まっ せいぜい頑張れよ。」