凍りついた街並みを行く【冬の詩企画】
カチャリ、と音を鳴らして自転車が動き出す。
静かな夜。静か過ぎる真夜中。それはまるで、凍りついたよう。
僕は手に息を吹きかける。手袋を忘れたことを後悔しながら、自転車に跨る。
凍った街並みで、動いているのは僕だけ。
時計の針も音を潜め、耳に聞こえるは風を切る音のみ。
だがきっと、このこおりが溶ける瞬間を見ることは無いんだ。見ることはできない。誰一人。
だけど、ちょっと見てみたいなって思って。
僕は氷った街並みを行く。
本作は「冬の詩企画」参加作品です。
企画の概要については下記URLをご覧ください。
https://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/1423845/blogkey/2157614/(志茂塚ゆり活動報告)
なお、本作は下記サイトに転載します。
http://huyunosi.seesaa.net/(冬の詩企画@小説家になろう:seesaablog)