第6話 「テスト返却、テストの意図」
翌日、朝のホームルーム中にテストが帰ってきた。
「ホームルーム中失礼する。本日はなんの日か覚えているか?まあ、皆覚えているはずだろうな。今日がテスト返却の日だってことを。」
みんなはテスト返却される事を楽しみに待ってる反面、緊張しているように見て取れた。
「そんなに緊張しなくていい。しかし、一つだけ注意しなければならない事がある。どのテストでもそうだが、クラスの生徒全員のテストの点数が黒板に張り出され、皆に知れ渡ってしまうことだ」
「それやばくないですか?みんなに恥を晒してしまうことになるじゃないですか!」
「何を言っているんだ、原桜花。この学校はデスゲームをする場所だ。今頃恥なんてあるわけないだろ。それとテストの点数が低いのは自分の責任だ。」
「でも...」
桜花はこれ以上反論することが出来なくなった。
「さあ、それではテストを返却する。みんな準備はいいか。」
それだけ言い、テストを十六夜先生はテストを返していく。その後、大きな広用紙を取り出し黒板に貼り付けた。
「今年の4組は揃いに揃って、点数が悪いな。他のクラスと比べて、5点くらい平均点に差があるぞ。最低でも73点は取れるテストなのにな。」
紙を見ると、平均点は、62.6点、他のクラスは平均点は、最低でも67点以上ということか。
最高点数は有村千里、山波渉、鈴木輪廻の3人の95点で最低点数は飛騨道駿介の13点だった。
「この学校は、赤点は存在しない。しかし代わりにデスゲームの場所となっている。」
少し間を置いて、先生は言葉を続ける。
「この学校の仕組みとして、言ってなかった事があったな。このテストの結果や、定期テストの点数が、テストの難易度に響くことを。つまり、テストの点数が高い人はテストの難易度が低く、テストの点数が低い人はテストの難易度が高くなるという事だ。」
「その制度は普通に考えて逆じゃないですか?」
咄嗟に丹羽が反論する。
「いや、逆ではない。むしろ、こっちの方が正しいと言うべきだ。最終的にはクズは消えて無くなってしまう存在だ。だから、クズは排除しておくべきだ。それがクラスの為にもなるだろう。そうは思わないか?」
「そうは思いません。ですが...」
これ以上丹羽は言葉が出なくなり、席に着く。
「何か嫌な予感が、当たったような気がするわ。そう思わない?榊原くん。」
「少しだけだけどな。まあ、このテストは、これくらいのもので済んだし、大丈夫なんじゃないか?」
「そう言ってる割には榊原くんのテストの点数、65点だけど、平均点は取ってるにしろ、危ないんじゃない?」
「別に、なにも思わない。」
「そう、それならいいけれど。」
チャイムがなり、ホームルームが終わった。
「これでみんなは下校だ。せいぜい頑張ってテストを受けるようにな。」
その言葉を残し、先生は教室を出ていった。
どうもこんにちはきりたんぽです!『スクールデスゲーム』第6話読んでいただきありがとうございます!
今日の一言
テストの点数って人に聞きたくなるよね笑