第13話 「テスト返却とその後」
5月28日朝、テスト返却の日が来た。最下位になるとは思ってもいないが、もし処刑されることになったら大変だ。
間もなく、十六夜先生がやってきて、5教科のテスト返却を行って単刀直入に言った。
「今から、教科ごとの点数と、総合点を黒板に貼り付ける。これで、誰が処刑されるか分かる。心の準備は出来ているな?」
そう言うと先生は紙を貼り付け始め、各々自分の順位を確認している。ちなみに、俺は総合で25位、一応滝沢は13位という結果だ。なんとか処刑は免れることができた。
最下位は飛騨道駿介と1点差で下回っていた高橋光だった。
一通りみんな順位を見たあと、すぐに先生が話始める。
「みんな順位を見終わったと思う。そして、残念ながらお知らせだが、今回のテストで処刑が決まったのは高橋お前だ。」
そう名指すと黒いスーツを来た人が現われ、高橋を連れていった。
「今回は処刑見学室には行かない。最初の1回を見せたのは、みんなにうちの学校の処刑方法を知って、実感してもらうためだ。」
みんなは納得したようだが、怯えが残っていた。
「分かったなら、話は終わりだ。これからもせいぜい楽しんで学校生活を楽しむように。」
と言って、十六夜先生は教室を出た。
その日の放課後、俺は行動に移した。佐伯が教室を出ていき、後をつけて尾行を開始した。
尾行を開始し始めて10分くらい経った時佐伯は止まった。しかし止まった場所は人気のない寮の裏側だった。まさかバレたのかと思ったが、それは無い。俺は木の陰に隠れていて、佐伯からは死角の位置にいる。なにをするのかと思ったら、佐伯が声を上げた。
「なんで、滝沢あんなに順位が良いんだよ!!ふざけるな!!私が折角範囲外のことを教えてやったのに!!...」
どうやら、滝沢についての暴言だった。しばらく静観していたが、見ているだけでは面白くないので、行動に移す。
「さっきの話は聞き逃せないな。」
「誰っ!?」
ややキレ気味だった。
「榊原だ。」
「ずっと聞いてたの?」
「そうなるな。聞いてたと言うより、ずっとつけていたという表現が正しいかな。」
「まさか、最初から...。だったらその事を他言しないということを約束出来るかな。」
「確実とは言えないな。もし行ったとしたら?」
「あなたをストーカーしたとして学校側に訴える。」
「そのために録音してたのか。」
「いつそれを!?」
「さっき気づいた。」
佐伯は録音を終了させ、すぐにまた話し始めた。
「私はあなたが、他言するまでは、何もしない。もししたら...分かっているよね。」
「間違いなく、俺を闇に葬り去るということか。」
「そういうこと。ちなみに、榊原くんだけじゃなく、みんなも闇に葬り去る準備は整い始めてるから。」
「話はそれだけか、なら俺は帰らせてもらう。」
「じゃあね、榊原くん。」
別れる時にはいつもの佐伯に戻っていた。
一応ではあるが、俺も最初から録音していた。これでもし訴えられたとしても、佐伯も道連れにできる。
今回は表に出過ぎた。いつ訴えられられるか分からない。今後は慎重を期して生活していく必要があるようだ。表に出るのをやめ、静観するのが正しいだろう。
佐伯との裏での関係のできたことで、また新たに波紋を呼びそうだ。
どうもこんにちは聖 きりです。スクールデスゲーム第13話読んでいただきありがとうございます。
今日の一言
最近更新出来てなくてすみません。