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その日、俺はいつも通りの日常が突然として消え去ることを知った。
「いやー今日も部活ハードだったなー。」
「もう大会まで3週間なんだ、気合い入れてこうぜ!」
「んなこと言ったってよぉ俺は補欠だしなー。お前みたいに必死に練習には打ち込めねえよ…」
「お前はそうやって流してるから一向にレギュラーになれねぇんじゃねえの?」
「まぁそうかもな…あ、俺家こっちだしじゃあな。」
「おう、また明日。」
スタスタスタスタスタスタスタスタ
ドン
「あ、すみません。大丈夫ですか?」
「…………………」
スタスタスタスタスタスタスタスタ
「なんだったんだろう?全身黒づくめでマスクとか不審者みたいな格好だったな。まぁいいか、腹へったしさっさと帰ろう。」
「あー、はらへっ…」
ゴォォォォォォ
「何で…?俺の家が…火事に?」
「ああ、朔夜くん大変なの。家の中にまだ美咲さんと遥ちゃんが…」
「母さんと姉さんが…?」
「何でこんなことになってんだよ!おばさんなにか知ってるのか?」
「私も知らないの。さっき悲鳴が聞こえたから出てきてみたらあなたの家が…」
「消防は?」
「さっき呼んだところだからまだあと5分くらいは…」
「クソッ!待ってろ今俺が…」
「ダメよ朔夜くん!そんなことしたら朔夜くんまで…」
「そんなこと言ってる場合かよ!今ならまだ間に合うかも知れないんだ。だから俺行く」
「母さん!姉さん!いるなら返事しろ!」
「この部屋じゃない…」
「こっちでもない…」
「そうだもう昼だからキッチンかも…」
「かあさ…」
「………何で…誰だよ…母さんと姉さんを殺して家に火をつけたやつは…」
「?これは…包丁と…免許証?…この顔…さっきの黒づくめに似ている?」
「まさか…あいつが…?」
「許さない…絶対に。」
「朔夜くん!無事だったの?2人は?」
「母さんと姉さんは…もう…」
「そう…朔夜くん、あなたこれから行く宛はあるの?」
「いえ。父も祖父母ももう死んでいるので…」
「ならとりあえず今私の家に来なさい。」
「ありがとうございます。これからお世話に…」
「君、この家の者かい?」
「…?」
警察だった。俺は自分の知っていることをすべて話した。
俺は、あの犯人と思われる黒づくめの男を探すことを決意した。