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妹襲来と空間収納

時は少し遡る


「も〜、兄貴め。私との約束を破りやがって」

あ、ども。

(あたし)片桐葵(かたぎりあおい)21歳、大学生だ。

モデルもやるぐらいスタイルはいいのだが、何故かモテない。

モテるのは何故か女子ばかり、不思議で仕方がない。


さて、話を戻そう

今日は兄貴に買物の荷物も…じゃなかった。買物について来てもらおうと思って約束したが、昨日

「すまん、葵。まだ仕事が残ってて明日ついていけなくなったわ」

「悪いな」

何処か嬉しそうな感じて言ってきたから何か怪しいと思いながらも

「わかったよ」

納得したように返事をしたが、実は違う。


(仕事が残ってるいるのなら、手伝ってやれば早く終わる)

と内心思っていた。


前にも

「仕事が残ってるから、バイト代出すから手伝って!」

「わかったよ、兄貴。私にも出来る事だったら手伝うよ」

て、いうやり取りも前にあったし仕方がないから今回も手伝ってやるかな。


「さあ、着いたぞ」

私は車を降りて、兄貴の仕事場に入るとそこには誰もいなかった。


「え…誰もいない?なんで?まさか兄貴に嘘をつかれたのか?いや、そんな訳はないよね。車はあったし花凛さんや葉子さんのもあったし。何処かに出て行くなら鍵は閉めるはずだし」

(う〜ん)

とかんがえながら店内を探す事にした。


応接室件事務室、居ない。

倉庫、居ない

まさか?トイレ!居ない。

外で作業をしているのかもしれないと思い見て回るが居ない。

やっぱり何処にも居ない。

まさか!何かの事件に巻き込まれたのかも!

いや、ないか兄貴は剣道5段だし、花凛さんは空手やってるから大抵の人には勝てるし。


(う〜ん)

また、考えこみ店内に戻る。

「店内に何か変わったこととかないか?一通り見てみるか」

そう思い、見て回ると以前には壁だった所に見知らぬ扉が付いていた。

「なに、この扉?前に来た時は無かったのに増築したなんて聞いてないし…。えぇい!入れば分かるわ。いざ」

覚悟を決めて勢い良く扉を開けると扉の向こう側の景色に絶句した。


そこには店舗の面積より大きい、研究所らしき部屋があったのだ。


私は恐る恐る中に入って見回してみる。

開きっぱなしになってる扉の先に続く長い廊下。

見知らぬ文字で書かれている本。

怪しい色をしている液体。

ホルマリン漬けのようになってる見たことない生物。

私は

「ふう〜」

と、一息つくと大音量で

「どこよーー!此処はーー!」

声の限り叫んだ。すると廊下の奥から足音がしてきた。

(こっちに近づいて来ている⁉︎)

誰かいるのか?

そもそも人なのか?

話が通じるのか?

覚悟を決めて、足音の主を待つ事にした。


覚悟を決め、間髪入れずに部屋に入って来た人らしきものが3人いた。

1人は顔立ちが整っている綺麗な女性だが服装がどう見ても漫画や映画に出てくる魔術師だ。

2人目は完全に見た目は子供だが服装がやはり魔術師みたいに感じる

そして最後、3人目は男だ。

男は私の顔を見た途端

「なんでお前が此処にいるんだよ!葵ー⁉︎」

と、私の名を叫んだ。


私はその男の顔を見て安心していいのか、驚いていいのか、疑っていいのか、凄い複雑な気持ちになった。



♢ ♢ ♢


そして今現在


今、俺の目の前に此処には居ないはずの妹の姿がある。

「葵。お前どうやって此処に来たんだ?」

「いや、どうやってて言われても普通に扉を開けたら此処に居たんだけど、ココハドコ、アニキハホンモノ?」

「何をふざけてるんだ?俺は正真正銘、お前の兄、新だ。」

どうやら目の前の出来事が衝撃的で我を失っているようだ。

「ちょっと落ち着け。いいか?今から俺が言うことは嘘偽りなく本当に会ったことだ。かなりの確率で嘘だと思うが嘘じゃないからな、いいな。」

「まだちょっと混乱してるけど分かった。兄貴の言うことは信じるよ。」

「助かる」

俺はそう言うと今迄に会ったことルージュを助けたこと、此処が異世界だということ、そしてこの世界には魔法が使えるのが普通ということ。


「ざっと言うとこんな所か。どうだ信じてくれるか?」

「そうだね、証拠はあるの?」

「証拠?そうだな〜、実際に魔法を使ってる 所を見たら信じるか?」

「そうだね、信じるよ。」

「よし分かった!じゃあやるぞ!派手にやるから実験場がいいかな。」

自信満々に言って。実験場まで移動する最中に葵が

「此処が百歩譲って異世界だとして、あの二人も魔法使いなの?」

ルージュとシトラスを見て言う葵

「そうだ。二人共魔法使いだな」

「やっぱりそうなんだ。さっきからずっと、意味不明な言葉が飛び交ってるからそんな感じがするわ。」

「意味不明?俺には理解できるぞ?」

ここである事を思い出す。

「そうだ!俺たちはルージュが翻訳魔法をかけたから言葉が理解できるんだった。ルージュ、翻訳魔法てどうやるの?」

「む?翻訳魔法か?翻訳魔法はワシが開発した魔法でな、ワシの魔道書にしか呪文は載ってないんじゃ。簡単に教える訳にはいかん。」

「そこを何とかしてくれよ。今度好きなお菓子を買ってやるからさ。」

ルージュだったらこれでいいはずだ。

すると少し考えた後に

「分かったのじゃ。特別じゃぞ。それとお菓子を忘れるなよ!」

「わかった、わかった。それじゃあ見せてくれ、て、魔道書はどこだ?」

ルージュは手ぶらで背中にも何も背負っていない。

「魔道書は空間収納(チェアスペース)に入っているから直ぐに取り出せるのじゃ。ほれ、こんな感じにの」

ルージュが目の前の空間に手を掴むと手首から先が消えたかと思うと、次の瞬間、何もなかった手の中に魔道書が握られていた。

「これが空間収納じゃ、便利じゃろ。」

「へ〜、こんな事も出来るんだな面白いな。呪文いらないんだな。」

「そうじゃ、これはイメージのみを必要とする高等技術じゃよ」

「そうなのか、まあ、物は試しだ、やってみよ。」

意気揚々とやろうとする俺、だが

「無理じゃよ無理簡単にできたら苦労はせんわ。」

「ま、いいんじゃないやるだけやってみれば。」

ルージュとシトラスがどうせ成功しないだろみたいな感じで否定する。

「見てろよ〜。絶対成功させてやるからな」

イメージは巨大な倉庫、そこにオートメーションで管理される機能が付いていて、物を入れるイメージをすれば目の前の空間が倉庫に繋がる。

(こんな感じでいいか?)

「よしこんな感じかな。このハンカチでいいか。」

俺はズボンのポケットからハンカチを出すと目の前の空間に手を突っ込んだ。

すると目の前には手首から先が消えた俺の手があった。

「ふう、痛みは無いし大丈夫かな?これでハンカチを置いて…と。」

ハンカチを置いて手を抜くと手にはハンカチは握られていなかった。

「よし!あとは取り出せれば成功だな。」

さっきと同じイメージをする、今度は取り出すために

「これでよし。手を入れてハンカチを取り出す。」

すると手にはさっきまで持っていたハンカチが握られていた。


「よっしゃー!成功したぞ!どうだ!」

テンションが上がる俺が目にしたのは、信じられないと眼を大きく開ける三人の姿だった。


「何でじゃ⁉︎空間収納は最高難易度の魔法じゃぞ!何故簡単に出来るのじゃ!」

「そうですよ!私は使えないのに何でそんな簡単に出来るんですか⁉︎」

驚く、ルージュとシトラス。

そして葵は

「マジか〜。兄貴は昔から何でもできたけど、まさか魔法も出来るとはね〜。流石だわ。」

二人と妹の温度差があるな〜、と思いつつ実験場に歩みを進めていく。







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