魔法修行だが・・・
ルージュの一人称を
「儂」から「ワシ」に変更しました。
異世界旅行もとい魔法の修行に来たわけだが、
「あの〜、ここって別荘件研究所なんですよね?研究所だったら他に人がいると思うんですがさっきから見当たらないんですけど?」
そうなのだ。
葉子が疑問に思うのも当然だ、研究所の大きさの割に人がいないのだ。
お手伝いさん、他の研究者などがいると思うのは当然なのだがこっちに来て、研究所を見て回ったが俺たち以外に人に会っていないのだ。
この疑問にルージュが
「む?ワシら以外に人はおらんよ、ワシの研究は危険じゃから他に人がいない方が安全なのじゃ、たまに友人は来るがの」
そう葉子の疑問に答える
「危険って?物が爆発するとかでか?」
「いや、それもあるがのワシは召喚魔法が使えんからそこら辺の魔物をとっ捕まえて使役する研究もしてあるのだがこれが上手く行かんことが多くてな、失敗すると魔物が暴走したり錯乱して死んでしまう事があるのじゃ、今は研究所内に魔物はおらん、異世界に行く研究に重点を置いてるからの」
恐る恐る聞く葉子にルージュがなんでもないような事のように言う。
俺はルージュが話をした中に気になる言葉があった。
「魔物?この世界には魔物がいるか?俺たちの世界では魔物ていうのは空想上の生物なんだがどんな奴がいるんだ?」
「む?新達の世界は魔物がおらんのか?では教えてやろう。魔物とはの魔法の適正と同じ攻撃をしてくるものことをいうのじゃ。普通の獣とは違うぞ、火や水を使った攻撃をしてくるからの注意せねばならないのじゃ」
「魔物にも名前なんかあるのか?」
「あるのじゃ、代表的なのはのソニックウルフとロックコングじゃな、ソニックウルフは風の様に動きが素早いが耐久力はない、追尾性の高い魔法が使えるようになると簡単に倒せるのじゃ、ロックコングは力と耐久力がある魔物じゃが魔法には弱いからの簡単に倒せるのじゃ。まあ魔法が使えればの話じゃがの」
すると俺とルージュの会話を聞いていた花凛が
「私達のレベルでもその2匹は倒せるのよね?」
不安げに質問すると
「大丈夫なのじゃ!三人とも魔法の適正がある時点で簡単にさっきの2匹は倒せるようにあるのじゃ!」
満面の笑みで答えるルージュを見て、安心する花凛と他2人
「さて!研究所は案内し終わったしの魔法の修行をするとするかの!ではさっき案内した中にあった実験場に行くのじゃ」
そういうルージュに頷く三人が続いて歩き実験場に向かった。
「さて、着いたの、ここの実験場は頑丈に出来ておるからの、ちょっとやそっとじゃ壊れんのじゃ!存分に練習するといいぞ!」
「ちょっと聞きたいことがあったんだがいいか?」
「なんじゃ?新?言ってみるのじゃ!」
「詠唱しなくても魔法が使える様なれないかな?俺たちの世界で人のいるところで詠唱すれば変な目で見られるからさ、できるかな?」
「ふむ、出来ないことはないがの、相当にイメージ力がないと難しいぞ?どんな魔法か効果があるか、この二つが重要になるのじゃ、まあ練習あるのみじゃな」
(ふむ、出来ない事はないが難しいか〜)
こんな事を考えて
「わかった、まあやってみるよ」
「うむ!やってみるのじゃ!あと言い忘れておったが魔法の威力を上げたいのなら詠唱をキチンという事じゃ、長文詠唱になると威力も相当になるから気をつけて練習するようにな、ワシは此処で見てるからの」
「了解、さてと、花凛!葉子!やってみるか!」
こうしてルージュに見守られて練習が始まった。
♢ ♢ ♢
この世界に来て、3日目の朝。
俺は大声で言い争いをする声で目が覚めた。
俺は声のする方に行くと2人の女性が言い争っていた。
1人はルージュだが、もう1人は見た目はOLだが見知らぬ女性だった。
「嫌なのじゃ!ワシは此処で研究していて忙しいのじゃ!調停者なんてヌシがやればよかろう!」
「あのね〜。私より貴方の方が魔法の全てにおいて私を凌駕しているのだから貴方の方が適任でしょ」
「嫌なものは嫌なのじゃ!それに異世界に行く研究は成功したのじゃ!」
「は〜〜。貴方まだそんな夢物語を言ってるの。成功したんなら証拠ぐらい見せられるわよね。異世界の道具とか生物とか物的証拠があるのかしら?」
「ふふ〜ん。証拠があればいいのか?ならばあるぞ!今、この研究所に異世界から来た人間がいるからな、そのもの達ならこの世界に無いものを必ず持っているのじゃ!」
「ふ〜ん。ハッタリにしては自信満々ね。いいわ此処に連れて来なさいよ」
2人の言い争いは一先ずの決着が着いたようだ。
だが、こっちに飛び火する事は目に見えている。巻き込まれる前に隠れようとするが、時すでに遅し、隠れる前にルージュに見つかった。
「良いところにきたの新。シトラスよ、この者が異世界から来た片桐新という者じゃ」
「この男が?ただのそこら辺にいる一般人じゃないですか。その人はなんの証拠にもなりませんよ」
「では新、何か私達の世界に無いものを持ってないかの?」
ルージュの問いに、今持っている中でこの世界に無さそうなものを考えていた。
(う〜ん。ルージュの世界に無さそうなものか?今の手持ちにあるか?服は違うな、お金持ちインパクトが薄いし。スマホ!スマートフォンならいいんじゃないか!)
閃いた俺は、ズボンからスマホを出す。
「ほら、これなら証拠になるだろ」
「何ですかそれは?」
「ふむ。花凛が使ってるのを見たことがあるが詳しいことはワシは知らんのじゃ」
不思議にスマホを見る2人に
「これはなスマートフォンという機械だ。写真を撮ったり、音楽を聴いたり出来る道具だ」
「「写真って?」」
2人して首をひねる。
「写真を知らないのか?じゃあ2人共そこに並んで立って」
訳がわからない様子だが、俺の言う通りに立つ2人。
「じゃあ撮るぞ」
( カシャ)
「良し。撮れたぞ」
2人に撮った写真を見せると
「何ですかこれは!私とルージュがこの小さな道具の中にいるじゃないですか!」
「おお〜!凄いのコレはスマートフォンと言ったかコレは凄いのじゃ!」
興奮する2人に
「これで俺が異世界から来た人間だって信じてもらえるかな?」
冷静さを取り戻したシトラスに言う俺
「確かに、この世界には無いモノですね。ですが!まだ私は認めませんよ!」
内心、めんどくせ〜な〜と思いながらもスマホの動画機能など更にシトラスに見せた。機能の説明をしている最中に
「ワシにも見せるのじゃ〜!」
ルージュが駄々を捏ねている。
一通り説明をし終えた時には
「嘘よ。こんなの夢よ。この人が別の世界から来た人間?ルージュの理論が正しかったって事?嘘よ嘘、嘘だわ」
シトラスは現実逃避をしていた。
気持ちは分かるので現実に戻るのを待つ事にした。
「落ち着いたか?」
「え…ええ、大丈夫よ。大丈夫。余りの事に理解が追いつかなかっただけだから、自己紹介がまだだったわね。私はシトラス・ルノワール、宮廷魔導師よ。」
「片桐新です。あの、宮廷魔導師というのは?」
「宮廷魔導師を知らないとなると本当に異世界から来たのね。宮廷魔導師は王族に仕える魔導師の事よ。」
「へぇ〜、宮廷魔導師ですか。実際にそんな仕事あるんだ。ルージュとはどういう関係で?」
「ルージュとは一緒に魔法を学んだ仲なのよ。それで、ルージュほど実力も実績もある魔導師だったら王族に仕えるのが普通なんだけど、ルージュは研究にしか興味が無いから。何度も『宮廷魔導師になりなさい!』て、言っても全然そんな気がないみたいで断り続けられてる。てわけよ。」
「そうじゃ、ワシは研究で忙しいのじゃから宮廷魔導師になる余裕なんぞないわい。」
お互いに自己紹介をして、一段落したと思ったその時、
「どこよー!ここはー⁉︎」
大声が響き渡った。
「何だ⁉︎今の声は?」
「方向からして声は、新達の世界に続く扉がある部屋からじゃ。行ってみるのじゃ、行くぞ!シトラス!新!」
ルージュに急かされ、声のした方へ急ぐ。
するとそこには見覚えがある女性がいた。
「嘘だろ⁉︎何でお前が此処にいるんだよ葵!
」
そう。そこには此処にはいるはずのない妹の姿があった。