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はじめての買い物

「儂の世界に行く事はわかったのじゃが、注意点があるのじゃ、まず、おそらくじゃがこっちの世界と儂の世界は時間差があると感じるの、体感してみた感じじゃとこっちの世界で1時間経つと儂の世界は約4時間くらい経っているはずなのじゃ。」

「と言う事はこっちの1日は向こうでは一週間て事か、訓練するにはちょうどいい期間なのかな?」

「そうね、訓練する期間が長い事はいいわね、余裕を持ってやれそうだし」

「1週間もあれば色々覚えられそうですね、頑張りましょう!」

全員、時間の差は気にならないようだった、ただ魔法の練習が出来る時間が長くなったと思う程度だった。


「1週間ね〜、食料品なんかは持って行った方がいいかしらね?近くに24時間営業のスーパーがあるから、行って買い込んだ方がいいわね、新!荷物持ちについてきなさい!ルージュも一緒に行くわよね〜」

俺の方を向いて、そう言ってくる花凛、ルージュの方に向き直ると、子供に聞くみたいルージュを誘う

「うむ、スーパーと言うものには興味があるぞ!食料品と言うと肉とか野菜とかかの、まあ、儂の興味を惹くものあるかもしれないからの!」

笑顔で答えるルージュ

俺は、妹の買い物に荷物持ちとして付いて行った時のことを思い出した。

店に入ってすぐにいくつかの服を見て、アレがない、コレではない、と行き来して、暫くすると

「いいのなかったから、次の店に行こう」

と言ってきた、そんなやりとりが4回あり、回った店は計10軒買った物は服10着、靴2足、帽子などの小物数点、かかった時間、5時間、俺は家に帰った後、心に誓った。

(俺は二度と妹の買い物には付いていかないと)


昔の思い出に浸っていると

「ちょっと!聞いてるんですか!新!貴方も一緒に行くんですよ!」

「わかってるよ!まあ1週間分だからな量も多くなるから男ではいるだろうな、はぁ〜、じゃあ行くか、葉子、留守番よろしくな」

「わかりました、書類の整理でもしておきますね」

俺は「よろしく」と言って車に向かった

(まあ、今回は食料とかだから連れ回されることもないし大丈夫だろう)

そんなことを考えながら、スーパーに向けて運転して行った。

俺の淡い期待は見事に打ち砕かれることになるとも知らずに


「つ、着いたぞ、さあ降りて、先にいるもの買っておけよ、俺は駐車場に車を止めて合流するから」

「了解、行くわよルージュ」

「わかったのじゃ!」

2人共テンション高めでスーパーに入って行く

俺は駐車場に車を止めると長いため息を吐く

「ハ〜〜〜、まさか車であんなに騒ぐとは、買い物中も嫌な予感しかしないな、

ハ〜〜〜。」

もう一回、長いため息を吐き、店内に入る


2人を見つけて合流しようとすると店内がやけに騒がしいことに気づいた、夜、遅くこんな時間に騒ぐとは迷惑な、と思いつつ騒ぎの中心へ向かう

すると見覚えのある2人が口論していた

「ダメよ!必要のない物は買わないわよ!」

「嫌じゃ!コレもいるのじゃ!このお菓子も、あのお菓子も全部欲しいのじゃ!」

見事な駄々っ子がそこにはいた、側から見たら、お姉さんに「お菓子を買って!」と駄々を捏ねる子供に見えるが、中身は100才超えたいい大人である。


声をかけようか迷っていると2人が俺に気づき

「新!ルージュに言ってよ!必要ないものはいらないて!」

「新!花凛が酷いのじゃ!このお菓子もダメ、あのお菓子もダメと言って買ってくれんのじゃ!」

2人が詰め寄ってきてそう言うのだ、返事に俺が迷っていると周りの従業員らしき人がこちらの方を生暖かい目で見ているのに気づいた。


(違います!親子なんかじゃあないですからね!幼馴染と100才超えたいい大人がお菓子のことで口喧嘩しているだけですからね!)

心の中で必死に弁明する俺

「ちょっと!聞いてるの新!ルージュに説明してよ!お菓子もダダじゃないんだからて!」

「嫌じゃ!買うのじゃ!食べたいのじゃ!こっちのお菓子を食べて見たいのじゃ!」

怒りの形相で俺を見る花凛、目に涙を浮かべて見てくるルージュ。

どうしたものか〜〜、と考えていると一つの妙案が浮かんだ。

花凛にこっそりと耳打ちする、すると花凛の目が(キラン!)一瞬光って見えた。

花凛が口を開く

「わかったわ、ルージュ、お菓子を買ってもいいけど条件があるわ!」

「な、なんじゃ、条件とは!」

急変した花凛の様子に怪しむルージュ

「条件はただ一つ!帰りの車では私の膝の上で大人しくしていること!ただそれだけよ!」

勢いよく言う花凛

「わかったのじゃ、それくらいなんともないのじゃ!」

余裕で答えるルージュ、さっきの駄々がウソのように収まる

この返事を聞いてまた花凛の目が光ったような気がしたが気のせいだろう。


この提案はは3人に徳がある、ルージュはお菓子、花凛はルージュを構える、俺は平穏な帰り道、俺は(よし!これで帰りはルージュが大人しくなるぞ!)提案が通ったことに安堵した。


2人とも納得したようだし買い物の続きと行こうか、

「ねーねー、ルージュー、向こうにもお風呂ってあるの?」

「あるのじゃ、浴槽にお湯張ったものじゃろ?じゃが儂の家の近くにあるのはの、天然の湧き出る温かい水あるのじゃがそこを風呂として使っておるのじゃ」

「え!それって温泉じゃないの!天然の温泉に毎日入れるの!羨ましい〜、まあ1週間、私も入り放題て、ことだし良いかな〜、温泉があるなら持っていく日用品はシャンプー、リンス、トリートメント、ボディソープ、化粧品、化粧道具、最低これくらいあれば良いかな、寝る場所とかも大丈夫よね?」

「大丈夫なのじゃ、部屋は沢山あるからの、ベットも十分にあるのじゃ。」

「そう、だったら安心ね。」

会話を聞いて、

(最低限の持って行く日用品多くね?)

と思ったが地雷臭がするので深く考えないようにしよう。


そうこうしているうちに、必要なものをカゴに入れ会計を済ませると、ルージュが直ぐにお菓子の袋を開けて食べ始めた

「美味しいのじゃ!こんなお菓子は初めて食べたのじゃ!やめられないのじゃ!止まらないのじゃ!」

どこか聞いたことがあるフレーズを言いながら夢中で食べるルージュ

「お菓子を買ってやったんだから約束は守れよ!帰りの車では花凛の膝の上で大人しくしてあることいいな!」

「わかっておるのじゃ!このお菓子に誓ってウソはつかん!」

空の袋を掲げながらそう言うルージュに不安を覚えつつも、車に乗り込み店へと帰って行った。


ちなみに支払いは全て俺持ちだった。






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