魔法と呪文
「あの〜、すみません、そろそろ魔法の使い方を教えてもらってもいいですか?」
控えめに手を挙げている葉子がいた。
「そうじゃった、そうじゃった、忘れておった、大切な事はイメージじゃ、先ずはのそれぞれの属性を手の上に作り出してみよ!新と花凛は火、葉子は水、さあやって見るのじゃ!」
そう言われて俺たちはそれぞれ手に意識向けて集中していく。
暫くすると俺の手の上に拳大の炎の塊が出来ていた。
他の二人の方を見ると
花凛の手の上には小さな火の玉
葉子は十円玉くらいの水玉
花凛は俺の炎塊みて
「なんであんただけそんなデカいのが出来てるのよ!」
「知らねーよ!言われた通りやったらこうなったんだよ!」
「それだけでできるわけないでしょ!なんかコツみたいなのがあるはずよ!」
「ねーよ!そんなもん!強いて言うなら才能かな」
「社長、凄いですね!」
俺と花凛が言い争いして、マイペースな葉子が尊敬の眼差しで見てくる。
「口喧嘩はそれぐらいにしておけ、本題に入るぞ、魔法を使うには呪文が必要になるのじゃがこの呪文は人によって様々じゃ、中には同じ呪文で発動するとのもあるが基本的に呪文は使いたい魔法を頭の中にイメージすると呪文が浮かぶのじゃ、この呪文を唱えると使えるようになるのじゃ」
ルージュはそう言うと
『闇を照らす小さき光、ライト』
そういったかと思うと空中に優しい光を放つ光の玉が出来ていた。
「まあこんなもんかの、魔法の分類は大きく分けて、攻撃魔法、防御魔法、回復魔法とあるが回復魔法は水か光の適正がなければ使えん、防御魔法は障壁などを展開できる解除したい時には解除と念じれば大丈夫なのじゃ、言い忘れておったが魔法を使うと疲労が溜まる、慣れてくれば連続で使っても平気になってゆくからそこは慣れじゃな、攻撃魔法は危険じゃから使うなよ、ではやって見るのじゃ」
(う〜ん、やってみろていってもどんな魔法を使うか悩むな〜)
と目を閉じて考えていると横から
『瞬き光をここに、フラッシュ』
その瞬間、室内は一瞬真っ白になったかと思うのと同時に声が響いた
「ちょっと!人のことも考えなさいよ!私は目をつぶっていたから大丈夫だったけどルージュが・・・」
そういうのでルージュの方を見ると
「目が!目が〜!」と目を手で覆いながら床を転がり絶叫していた。
「大丈夫?ルージュ?ごめんね?」
マイペースな葉子が謝る。
俺はどっかの悪役みたいな状況になってんなと思いながら二人を見ると笑いを堪えているようだった。
暫くすると落ち着いたようで
「何じゃ今の魔法は!目の前が真っ白になったぞ!」
驚いた様子のルージュだが俺たち三人は
「「「えっ、目くらましでしょ」」」と声を揃えて言うどうやらこちらの世界の知識にあるものがルージュの世界にはないのかもしれない、そう思い花凛に耳打ちで
「ルージュにイタズラして見たらどうだ?」と言ってみた。
すると花凛は笑みを浮かべて魔法発動させようと集中する
『敵を囲め暗き障壁、ノワールボックス』
そう詠唱するとルージュの周りに黒い壁が出来ていた。
四方を囲まれたルージュは
「だせ!だせすのじゃ!」とまた叫んでいる。
花凛が解除と念じたらしく黒い壁が消え去った。
「お前たち!儂をからかってあるのか?ふざけるでないぞ!」
ルージュはお怒りのご様子、すかさず俺が
「違う、違う、花凛に葉子をターゲットにして見たらて言ったら、狙いがずれてルージュの方に行っただけだから気にするなよな」
そういうと渋々
「わかったのだ、疑って悪かったの」
「いや、私も悪かったわね、ごめんねルージュ」
すかさずフォローする花凛、俺は流石はロリコン、印象の埋め込み上手い、口には出さないように俺はやり取りを見て
「よし!次は俺の番だな!そうだな〜、出来るがわからんがやってみるか」
俺は光の屈折を思い浮かべてそこに光学迷彩のイメージを重ねる、すると呪文が思い浮かび、すかさず詠唱に入る。
『光の精よ、我が姿を隠せ、インビジブル』そう唱えると俺の姿は消えたようだ、俺以外の三人が俺の姿を探しているルージュはないが起こったか理解していないようだ。
俺は解除と念じ姿を現わすとルージュが
「何が起きた!お主、転移魔法を使ったのだろう、そうじゃろう!」
と決め付けてきたので、この魔法の原理を説明してやった。
すると、ルージュが
「さすがは我が弟子じゃ、そのような知識は儂には無いからの、これから弟子となるお前からも儂の知識の糧になるものが多々あろうてよろしく頼むぞ!」
かなりの上から目線で言うので俺は
「魔法に関しては確かに弟子だが、こっちの世界の知識については師匠にあたよな、教えて貰いたかったら俺の弟子になれ」
と煽って見た結果
ルージュは了承し俺のこっちの世界の知識の師匠である俺の弟子になった。
「で、攻撃魔法も使って見たいが、ここら辺に広場とかないからな〜。明日は店は休みだし二人ともどっかいいとかない?」
俺が考えていると
「ならば、儂の家の周りに荒野があるからそこで練習すれば良い!」
と力強く答える。
(ルージュの家という事は、異世界って事だよな行ったわいいがちゃんと帰ってこれるのか?)
心の中で考え、二人とも相談した結果
「ルージュ、向こうに行ってもちゃんとこっちの世界に帰ってこれるよな?次の日は仕事があるからな、大丈夫だろうな?」
「大丈夫なのじゃ!儂に任せておけば良いのじゃ!」
満面の笑みで答えるルージュに、俺は若干不安に思いつつも異世界に行くこと決めた。