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METARU Sorcery-帝国の基礎魔術-  作者: 高見 敬
第0章-プロローグ-
8/25

□フィパチカ2

 オードックに着くと、まず1階の雑貨屋さんを見て回ります。

「あ~。これかわい~ですネー」 眠そうなフクロウが意匠の小物入れ。

 しまうま柄のパンダの手持ち鞄。

 かわいい子猫柄の入った付箋。

 美味しそうなパンに見える飾りのついた鍵鎖。

「ね、これ見テ!」

「え? ……とてもお似合いだと思いますよ」

 赤い布紐の付いた髪留めを手に取って振り返ったら、店員さんと目があったのデス。

 そでした。今日はもう1人なのでした。

「そういうのが好みなら、これはどうかしら?」

 店員さんはもう一回り大きな赤い髪留めを近くの棚から持ってきてくれました!

 とてもとてもかわいいです!

「どう?」

 鏡を見ると、店員さんが髪飾りを持ってくれてます!

 まるで着けているようにみえます!

「ウン! これすル!!」

 お会計したらお店の外に出てすぐにつけるのです!

「なんならもうここで付けてく?」

「えっ!? ハイッ!」

 あまり忙しくなかった店員さんは、ハサミで値札を切って渡してくれました!

 さっそく付けてみてご機嫌でくるっと回り、制服の裾をちょこんと摘まむと、周りから歓声があがりました。

「ありがとござまス」

 頭を下げると、お尻のあたりにあった髪の房が目の前に滑ってきます。

「ね、ね、ここにはこれ付けた方が良いんじゃない?」

 周りで観てた少し年上っぽい人が髪の先に赤い布を蝶々で結んでくれました。

 かわいいですっ!

「あっ、これも良いんじゃない?」

 別の人が紅白の記章を当ててきます!

「じゃ、これも!」

「こっちの方が!」

 なんだかいつの間にか大騒ぎですっ!

 どゆことですかぁっ?!

 

 気が付くと大きな紙袋を持って通路にいました。

 お店で通りがかりの人が次々とあれもいい、これも良いって、私を飾り付けてくれましたっ!

 1人1品づつの小物のプレゼントなんだけど、なんだか……多いな。

 連絡先もいっぱい交換しちゃったけど……問題ないよねっ!

 みんなもうお友達! 


 次は3階いよいよお父さんのお酒を…………買えませんでした。

 なぜ買えないのですか……はぁ。“ミセーネン”って何て意味だっけ……?

 保護者と一緒って言われても、私がこっそり買ってきて驚かすことに意味があるのに。


 しかたないので少し歩くけどリクルートおじさんのケーキでも買って帰ろうかな~。

 せっかくここまで来たんだし。

 と思った所で、知らない大人の男の人が声をかけてきました。

「おチょさん トした?」

「お父さんの誕生日に故郷のお酒、買ってプレゼントしたかたデス。でもお店の人ミセネンだからダメっテ」

「ミセネン? Oh なるほト. それは チんしュさべチュに ちカいないね」

「珍種キャベツ?」

「ソソ. にポんチン まタまタ ろにちせんソ ロシア おおく うらみ おもてるね. タから ひトいこと するね」


 むむむ……難しい言葉はよく分からないです。


「Ok.わたチ さベちゅ チない セんりょ な おみせ チてるね. つイてくる よイね」

「わぁっ! ありがとうござます!!」

「タいチョブネ チんぱいないない わたチ セんりョ で やさチい にポんチん タからね」


 やった! 親切なおじさんだっ!


「テも おチさん ツこし のト かわいたね. おちゃ チてからテも いイかな?」

「お茶……デスカ」

「イヤイヤ おみせ はいらない ね. ちか にかいの つうろに はちチュえんの チはんき あるね. えきのとこ」

「ん~? あ! ありますネ!」

「おチさん ねこチた タから チかん かかるね. タから そのあいタ おけしョなおし する いイね」

「冷たいのはお腹にきゅるるっテなりますもんネ」

「ものわかり よいこ おチさん すきね. それチャ Let's go!」

「ハイなのでス。 れっごぉ!」

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