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6.どなたか!この中にヒロインはいらっしゃいませんか!?

誰も読んでないだろうな~と思っていたら、pvが200もついていました。3桁ごときで何を、と思われるかもしれませんが。書いてみると誰かが見てくれているというのは幸せなことなんだということが身に染みました(深夜テンション)

 ※ジョブレベルが上がりました。

 ※スキルレベルが上がりました。

 ※ハクのレベルが上がりました。


「お、ようやくレベル上がったか。そろそろ上がりづらくなってきたな。」


 数時間ほどサーチ&デストロっている間に、随分とレベルが上がった。しかし、現在いる森の周辺ではEか、最高でもD級の魔物しか出ない為、いくら女神の加護があってもレベリングには限界があった。


 ステータスーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 名前:ライト


 ジョブ:槍士lv.18、召喚士lv.18、英雄lv.8


 HP:1340/1340

 MP:2560/2560


 力:254

 速:236

 技:272

 魔:272


 スキル:槍術lv.2、召喚魔法lv.1、オーバーロード、HPMP自動回復:小

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 それでも、この短時間にステータスではすでにC級冒険者の域に達しようとしていた。


 ジョブ、英雄で現在覚えているスキルはオーバーロードと自動回復。オーバーロードは、一時的に能力値を倍増させる限界突破の上位スキルのようだった。弱い魔物相手に使うスキルではないので、まだ試していない。


「やっぱり同時に3つのジョブに就けるのと、英雄の能力補正がデカいな。」


 下位職と比べた英雄の能力上昇率は、10倍を越えていた。これはジョブ、勇者の上昇幅を上回っている。真に勇者の上位職と呼ぶに値するだろう。


「それにハクもランクアップしたしな。そろそろ街道に行って街へ向かうか。」


 そう、これまでの戦闘で戦力を増したのは、ライトだけではなかった。




 ハク


 種族:ウルフ(lv.10)→ビッグウルフ(lv.1)




 10レベルに上がったとき、ハクがD級モンスターのビッグウルフへとランクアップしたのだ。白い綺麗な毛並みはそのままに、サイズが大きく、牙や爪もより鋭くなった。相手が武器を持ったオークでも安心して任せられるようになった。




 道中出てくる魔物を蹴散らしながら、森の出口へと向かっていく。暫く歩いて行くと、ハクが何かを察知したように進んでいる方向を気にし始めた。


「どうしたハク、何かあったか?」


「グルルルルルッ」


 強い魔物を発見したと判断した俺は、街道へ向かって走り出した。ハクが焦るように先導する。



 すぐに何が起こっているのか俺にも理解できた。何かを叫ぶ男の声、野太い獣の咆哮や、金属がぶつかるような甲高い音がきこえてくる。


 ブルルルルルッ


 ッガアアアアアアアア!


「隊長!数が多すぎます!オークだけならまだしも、オーガまで!」


「陣形を崩すなっ!何があっても姫をお守りしろ!」


 ギアをめいっぱい上げて戦場と化した街道へと辿り着くと、貴族が乗っているだろう高級感溢れる馬車の周りを10人ほどの護衛が囲んでいる。


 本来街道にフラフラ出てくるような魔物相手なら、充分な戦力である。一人の負傷者も出さずに魔物を殲滅できるであろう騎士と兵士達は、しかし全滅の危機に立たされていた。


「加勢します!」


 戦場を認めると、スピードを落とさず騎士の元まで駆けつける。


「むっ!?しかし……いや、頼む!」


 加勢に現れた者が10代そこらの見た目をしているので引き止めようとしたのも束の間、間に立ち塞がるオーク数匹を瞬殺するのを見て意見を変えたようだ。



「オークが……30近くはいますね。」


「うむ、数の差はいかんともしがたい。貴殿はオークの相手をしている部下達の手伝いを頼む。後方のオーガは私が切り捨てる。__『一閃(スラッシュ)』」


 言いながら突進してきたオークを一撃で両断する、金属鎧を着た隊長と呼ばれていた男を鑑定する。



 モーガン


 ジョブ:騎士lv.43


 HP:978/2350

 MP:380/530


 力:301

 速:215

 技:258

 魔:89




 貴族の護衛隊長をしているだけはある。冒険者でいうと常人の限界であるC級冒険者相当の実力だ。本来なら自らの言葉通りオーガにも引けを取らないだろうが、怪我が目立つ。


 オークの数頼みの突撃にやられたのだろう。不意討ちにあったのかもしれない。対して、奥で余裕を見せているオーガは無傷だ。


「その役目は騎士殿にお願いします。オーガは俺が。」


「それは出来ない!オーガはC級の魔物だ。君のような若い冒険者が勝てるとは思えん。」


 食い下がるモーガン。


「皆さんの統率と指示は隊長であるあなたにしか出来ないでしょう。それに俺はダブルジョブです。」


 ダブルジョブとは、希に現れる同時に二つのジョブに就ける者の通称だ。実際にはトリプルだが、滅多にいないし信じてもらえないだろう。


「何!?そうか、槍を持ちながら魔物を引き連れているのはそういうことか。」


 話している間にも護衛の兵士達がオークの勢いに押されている。


「そうです。召喚したビッグウルフと共に戦えばオーガにも勝てます。」


「すまない、この身が不甲斐ないばかりだ。オーガの相手を頼む。」


 戦闘に慣れているのだろう、その判断は迅速だった。


「はい!」


 言うが早いか、トップギアでオーガへ向かって走る。行きがけの駄賃とばかりに、2匹のオークの首を跳ねる。


(手柄を取られることじゃなく、自分の力が足りないことに悔しがるとは、すがすがしいおっさんだな)


 お山の大将をしているオーガの元へ辿り着く。3mに届こうかという巨体は、盛り上がった筋肉で鋼の肉体を形成している。口から上向きに突き出た二本の牙と、その全身が凶器だ。


 オーガがその拳を振り上げ、風を切る音を鳴らしながら打ち下ろしてくる。豪快なテレフォンパンチだが、当たれば一撃で戦闘不能だ。


 冷や汗を流しながらも、紙一重で避ける。頬を一筋の血が流れるが、一々大げさに離脱していては、攻撃できない。


 続く右足による前蹴りを右に潜り込むように避け、脇腹に上段突きを繰り出す


(入ったか!?)


 しかし、撃ち出した攻撃はオーガに大きな傷を与えること叶わず、表皮に食い込み少しの出血を強いることに終わる。


(今のステータスじゃ威力が足りないか)


扱う槍がただの鉄製なのも痛い。通常、オーガ種を相手にする場合鋼鉄やそれ以上の素材で作られた武器を使わなければ刃が深く通らないのだ。


「ハク!」


 こちらに注意が向いている間に側面からハクが爪と牙による攻撃を命中させ、勢いのまま離脱する


 やはりというべきかハクの牙も文字通り歯が立たないようだ。


 その後も、オーガが一方を攻め立てる隙にもう一方が攻撃を加えるが、有効打を与えられない。目まぐるしく動き回るライトとハクに、オーガも攻撃を当てることが出来ず、膠着状態が続く。


(このままじゃ埒が明かない)


 いずれは体力が尽きて強烈な打撃をもらってしまう。そうなる前にライトは決断を下す。




「―――――『オーバーロード』」




 瞬間、オーガの視界から、ライトの姿が消える。一定時間「力速技魔」全ての能力値を3倍に引き上げるスキル、オーバーロードを発動し、速度差でオーガを置き去りにしたライトは、左脇に回り込み、槍の穂先を地面すれすれから打ち上げる。



 ッッガガアアアアアアアア!


 オーガの胴を一筋の赤い線が走る。この戦いで始めての有効打だ。


(っいける!)


 突然の痛みに暴れ狂うオーガ。その乱雑に振り回される四肢を掻い潜りながら、右足の腱を斬り払い、再び正面へと回り込む。


「ハク、今だ!」


 連携を研いて一日も経っていないが、契約で結ばれたライトとハクの間には、その一言で充分だった。


 腱を切られバランスを崩したオーガに、気配を消していたビッグウルフが背後から飛びかかる。右膝をついているオーガの左肩を引きずり込むようにくわえこみ、オーガの上体を更に上向かせる。


 その巨体を鉄槍を携えた黒髪黒目の少年が駆け上がり、跳躍する。


 オーガが自らに迫る危機を認識した時、勝敗はすでに決していた。



「おおおおおおおおお!」




 アアアアアアアアアアア!




「『打突(スラスト)』ォオ!!」


 落下の勢いを槍に乗せ、放たれた渾身の武技は、大鬼の額を見事に貫いていた。


 ※ジョブレベルが上がりました。

 ※スキルレベルが上がりました。

 ※槍術スキルの武技『ダウンスラスト』を習得しました。

 ※経験済ジョブ制限が一部解放されました。勇者、剣聖、聖騎士、大魔術師、大神官から、同時に一つのみジョブにセット出来ます。

 ※ハクのレベルが上がりました。


 頭の中をアナウンスが流れる。が、それに喜ぶこともなく、ライトはその場に座りこんだ。


「はは、今更遅いっての。よう、ハク。お疲れさん」


「クゥン」


 無事を確かめるようにハクが寄り添ってくるので、その白い毛を撫でる。


 ウオオオオオオオオオオオオ!!!


 不意に野太い歓声が上がる。振りかえると、いつの間にかオークの群れを倒し、見守っていたのだろう、モーガン以下10人の男達の勝鬨であることが分かった


 部隊の隊長である騎士モーガンがこちらに歩み寄ってくる。


「ありがとうございます。貴殿のおかげで姫をお守りすることができました。部下も誰一人欠けていません。」


 先ほどとは違い、慇懃な態度で話す騎士の人。


「皆さんもお疲れさまでした。3倍の戦力差をひっくり返すとは見事ですね。ただ口調は戻していただけませんか?目上の方に敬語を使われると何だかむず痒いです。」


 騎士の人以外はオークとならば一対一で互角というような実力だったので、本当に大したものだ。


「何をおっしゃいますか。姫の命の恩人にそのような無礼な真似はできません。私はこの護衛隊の隊長を務めるモーガンと申します。お名前を伺っても?」


 どうあっても改める気は無さそうだった。苦笑しながらも気合いで立ち上がる。思っていたよりオーバーロードの反動は大きかった。


「ライトと言います。」


「ライト殿ですね。姫が直接お礼を言いたいと仰っています。馬車までお越し頂けますか?」


 先ほどから話に出ていた姫というのが、馬車の主のようだ。


(これは、テンプレか!?来たこれ!)


「俺のような平民でよければ、お目通り願います。」


 テンションが上がって変な言葉遣いになっていると自覚するライト。


 悲鳴をあげる体をおして、馬車まで歩く。


「姫、お連れいたしました。我々の窮地を救っていただいた、ライト殿です。」


 モーガンがそう告げると、馬車の扉が開く。


「ライト様ですね。セレナ・ウォーカーと申します。危ないところを助けていただき、ありがとうございます。」


 果たして姿を見せたのは、めっちゃ可愛い女の子だった。







 



お読みいただき、ありがとうございます

次話かその次で第一話に追いつけるかなと。こんな変な構成にしたの、本当誰なんでしょうね。


4/10 騎士と英雄のステータス計算を変更したことで、主人公とモーガンの能力値が変わりました。 その他の文章や話の大筋は変わりません。

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