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4.結構チートなので好きに生きることにする

深夜テンションのままに書いたことを否定できません。展開についていけない等あればご指摘いただければ幸いです



「あー、その、なんだ、久し振りだな。3年ぶりか?」


 ティアを見た時は柄にもなく大声を出してしまった。


(いやべつに、取り乱すとかダセェ、みたいなクール気取りじゃないけどな。あれ、じゃあ柄なのか?うん、柄通りに大声を出してしまった。)


 これは現実なのか確かめるように、ティアをじっと見つめる。向こう(異世界)でもティアと直接会ったのは10回に満たない。それでもその数回の中で色々なことを話したのを今でも覚えている。


 あの時話したことを、ティアは覚えてくれているのだろうか。


 久し振りに会ったティアは


「ううん、レイにとっては3年かもしれないけど、私は1000年待ったよ。」


 しょっぱなからぶっ飛んでいた


「いきなり何言ってんの?」


(あれだろうか、これはもしかしてヤバイ人になっているかもしれん。)


「ふふっ、レイがそんな風に素で話しているの何時ぶりだろうね?」


 ティアの浮かべる笑みに、つい見惚れてしまう。


「ちゃかすな。ん?待て、何だその見てきたみたいな言い方。それにこれはどういう状況だ?大体分かるけど。」


 ティアの言葉にひっかかりを覚え、問い詰める光。


「うん、見てたよ?レイが向こう(地球)に帰ってから。……暇つぶしでねっ。それから、ここには私が呼びました。」


 もったいぶるでもなく、さらりとそんなことを告げるティアに、光は呆れながらも先を促す。


「暇つぶしってお前、それが女神の言うことかよ。それで、ティアが呼んだって?前回は異世界の人達が呼んだんだったよな?」


「レイこそそれが女神に言うことなのかしら?そうよ、前回はたくさんの人達が魔力を集めて勇者召喚をしたんだけど、それを今回は私がしたの。それで、私の世界とレイの世界は時間の流れが違うから、レイは3年、私は1000年の時間に感じたの。」


 ようやく冒頭のぶっ飛び発言の意味が分かった。いや、正直時間の流れとか言われても完全には理解できないのだが、地球の時間の流れは遅くて、ティアの世界の流れは速いとかそんな感じだろう多分。世界には不思議がいっぱいってことでここはひとつ。


 その他にも、話を聞いていく内に色々なことが分かった。魔王討伐の後地球に帰った時、15歳の体に戻ったのはそういう魔法だから時間の流れは関係ないとか、今の異世界には魔王程の脅威はなく、人口も以前より大分増えているとか。


「……ティア、俺をここに呼んでくれてありがとう。」


 俺は照れることなく言う。


「へ?急にどうしたの?」


 ティアは何故俺が礼を言うのか分からないようだった。


「さっき言ってたじゃないか。暇つぶしで俺を見てたって。俺がこっちに来たがってるのを知ってたんだろ?もう地球の生活には馴染めないと悩んでいたのを分かって呼んでくれたんだろ?俺を救ってくれて、ありがとう。」


 素直な気持ちを言葉にする大切さを、俺はあの世界で学んだ。


「っ、私はその、直接会って話せるのって他の神以外だとレイくらいだし、暇だったし、レイが苦しそうだったからってのはついでよ。でも、本当に呼んでしまってよかったのかしら?」


 俺の許可なく勝手に召喚したことを申し訳なさそうにしているティア。


「まあ家族とかに何も言えずに別れるのは少しだけ心残りだけどな。ティアが気にすることじゃない。異世界に戻りたがってたのは俺だしな。それに、ティアもここから連れ出さないとな。」


「あ……」


 ティアは以前、大地に降りて、世界を見てみたいと言っていた。ティアは女神だからこそ、この白い部屋から出ることは殆どない。他の神との交流も滅多にないらしい。


 まあ、神にどんな事情があってどんな仕事をしてるのか、俺は全然知らないけど。言えないことも多いらしいし。


 それでも俺がここに来るときはいつも楽しそうにしていたし、居られる時間が終わるときには寂しそうな顔をするのを覚えている。


「覚えてたの?」


「ティアこそ覚えてたのか。あの時は魔王討伐が最優先だったからな。でも今回は好きに生きていいんだろ?お前を呼ぶことだって出来るさ。」


「そう言ってくれるのは嬉しいけど、方法はあるの?」


「ティアからもらった力ってまだ残ってるか?」


 以前勇者召喚された時、俺はティアからいわゆるチート能力をもらっていた。


「うん、残ってるよ。それに今回の分も少し力をあげられます。」


 ティアは少し誇らしげに胸を張る。時々こういう風に子供っぽい仕草を見せる。


「じゃあ大丈夫だろ。ジョブシステムなんてものもあるし。ただし、すぐにはできねえぞ?」


「うん!1000年待ったんだもの、今さら少しくらいどうってことないわ」


 そう言ってティアは、最高の笑顔を見せた。

お読みいただき、ありがとうございます

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