32.今新キャラ出す?ってタイミングで新キャラ出す
それからあっという間に日々が過ぎて、セレナの成人パーティー前日。今日は警護責任者達の会議に呼ばれている。
この数日の間、ライトは依頼をこなしたり、ダンジョンでレベリングしたり、セレナ達と過ごしたりしていた。
ダンジョンは4層が最奥で、C級までの魔物しか出現しない。そのためある程度以上はレベルが上がりづらくなったが、それでもC級ではトップクラスと言える実力になった。
また、シルヴィーもレベルが上がり、ノエルやセレナ達とも交流を深めている。セレナとルヴィアに奴隷を引き取った話をしたところ、是非にとシルヴィーも茶会に呼ばれたからだ。
その時のシルヴィーとセレナは若干表情が固かったのだが、ライトは初対面で緊張しているのだろうと判断した。
「失礼します。第二王女殿下の護衛を勤めさせていただくライトです」
案内された部屋に入ると、国王アルベルトとセレナ、見知らぬ三人の男が座っていた。二人は騎士の出で立ちをしており、一人は執事服を着ている。
セレナを見ると、にっこりと笑顔を向けてくれた。
「貴様が雇われた冒険者か。平民風情が遅れて来るとは、何のつもりだ?」
敵意を滲ませて発言したのは騎士の一人。前下がりのショートボブのような髪形に、前髪は斜めに切り揃えられている。少々独特な髪形だが、顔立ちは非常に整っており眉目秀麗と言える。
「落ち着けマルコ。我々が先に来ただけであって、時間にはまだ早いのだ。ライトと言ったな。そこにかけなさい」
「‥‥‥ラルフ殿がそうおっしゃるのであれば仕方ないですね」
イケメンオカッパーのマルコを諌めたのは、もう一人の騎士だった。こちらは歴戦の戦士のような気迫を漂わせた、ダンディな男だ。どうやらアルベルトとセレナは立ち会うだけで、基本は発言しないようである。
「俺はパーティーの王族警護代表のラルフだ。大騎士の一人を仰せつかっている。こいつはマルコ。若手の有望株で、会場警護責任者だ。最後に彼がセバス。今回のパーティーでは執事長に任命されている」
ライトに向けて男達の紹介が為される。
大騎士とは、騎士の中でも限られた者が任命されるもので、国に十人程しかいない選ばれた騎士のことだ。
セバスは三十代前半だろうか、寡黙な性格をしているのだろう。一礼するのみ。しかし、その無駄のない動作はただの執事には見えない。
そこからは警護の段取りが話されていった。ラルフ率いる数人の騎士がアルベルト含む王族周辺を、マルコを筆頭に複数の警護が会場全体を固めるようだ。ライトはセレナ個人の護衛のため、指揮権下には置かれないという。
「今回のパーティーでは、賊の襲撃も予想される。通常以上に警備は厳重に配置する手筈になっているが何が起こるか分からん。戦闘ではこの場にいる者が最高戦力だ。各自気を引き締めて任務に当たってくれ」
どうやら、彼ら三人が実力的にはトップのようである。それもその筈。ライトの鑑定には、誰も彼も超人的なステータスが表示されている。
ラルフ
ジョブ:大騎士lv.75、聖騎士lv.77
HP:9880/9880
MP:3750/3750
力:2130
速:1540
技:2049
魔:1135
マルコ
ジョブ:聖騎士lv.58、騎士lv.60
HP:6540/6540
MP:2430/2430
力:1160
速:894
技:1230
魔:560
セバス
ジョブ:執事長lv.76、高位暗殺者lv.73
HP:7104/7104
MP:4440/4440
力:1067
速:1990
技:2110
魔:618
マルコが一段劣るものの、全員が人類の最高峰と言える実力を有している。ステータス上では現在のライトを上回っていた。
特にラルフは、前回ライトと共に魔王を討伐した騎士に近しい水準に達している。
(イケメンもめっちゃがんばってるみたいだな。リア充め。それにしてもセバスさん何者だよ)
「若輩者ですが、私も尽力させていただきます」
「当たり前だ。大した戦力にはならんだろうが、殿下の護衛に抜擢された以上は死力を尽くせ」
「ライト様はお強いです。ちゃんと戦力になります!」
「そうですか。それは実際の働きで評価させていただきます」
嫌味を言うマルコに言い返したのはセレナだ。マルコはばつが悪そうにしている。
「ライト様、お話がありますので、少し残っていただけますか?」
会議が終了し、それぞれ退出しようとしていた時、セレナに呼び止められた。
「分かりました」
マルコの方をちらっと見ると、悔しそうな、苦虫を噛み潰したような表情をしていた。
ステータスーーーーーーーーーーーーーーーーー
名前:ライト
ジョブ:剣豪lv.34、騎士lv23.、魔法剣士lv.45
HP:4640/4640
MP:3761/3761
力:660
速:671
技:682
魔:433
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お読みいただき、ありがとうございます!
少し描写が上手くいってないので、後日修正するかもしれません




