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【ホノイカヅチノミタマノエンギ】

ネット上の交流サイトを飛び交うウワサ、

オカルトマニア好みのサイトの情報等を

ヒントにした創作物語ですが、内容は

精神的注意を要するものですので閲覧は

ご了承の上でお願いします。


平成絶対恐怖夜話第一帖



新編丹後國風土記残欠・平成本朝雲居立青葉山坐火雷鬼縁起



シンペンタンゴノクニノフドキザンケツ

ヘイセイホンチョウ


クモイタツアホバノヤマニイマス

ホノイカヅチノミタマノエンギ



*** *** *** *** ***



「曰はく、昭和帝之御世、

丹後國加佐郡、此の郡に浜村在り。」


「此の人夫、当之御世、

壬子丙午壬寅月曜朔生

某秀樹と云ひき。」


「人と成り、

稚きは直しが所以能く神仏を敬ひ

殊に古事記は火神迦具土神に

恋慕の如き深き情を寄せしが。」


「苦しき瀬に落ちて患ひ愡みて

遂に其の面は醜く歪み心持ち

禍神の如く変わり果て足り。」


「 斯かる内に、平成帝之御世、

甲牛甲戌丙戌の頃巷間にて

持て囃されし霊石の類を

求めし頃より不可解なる

数多の霊異始まれり。」


「故耐え難くも心煩わせし

由無し事を其処は彼と無く

書き作り恨む諮らむ其の間に

物の怪依り憑き。」


「彼妖の心を悩ます事宛ら阿鼻叫喚の

地獄に墜つに是同して遂に

生ける屍と化せしが。」


「然まで瀕死の体を為し足るとて

筆離さず神に入りし世に惑いと恐れを

齎す短き物語を綴り往く末終に

件の正体に自ら思い至れり。」


「其に就きては最早

多かり語る事勿りけれど

人心を操る童子の鬼にて由縁天地全ての

目に見えざる儀の噺の根に関わり足ると

唯言ひ出でき。」


「後程無く心身疾く衰へ

命落とし尽きけると伝ひ足り。」


「後世の調べに拠れる此の説話にては

戦国の乱世の第六天魔王伊舎那天に

纏われる武将の出自なる伊部郡の臣及び」


「思惑在りて秘せられし行き倒れし天女と

御食津神所以阿波國和奈佐郡の氏に繋れり」


「と謂へども此より深く探るべき方に

於ては不知しも非じ等とかや。」


「あな恐ろし。」



*** *** *** *** ***



《現代語訳》



ひとが言うところの、昭和天皇の治世のころ

京都府舞鶴市に浜という村が在った。


そのころ、なんとか秀樹という

昭和四十七年七月十日月曜の新月の日の

生まれの人物が居たという。


その性格は小さい頃こそ純真で

神や仏を信じていて中でも特に

古事記に出てくる雷神カグツチに

ほとんど恋愛感情まで持つほど

入れ込んで居たが


深すぎる苦しみや思い煩いの中に落ちて

そのために顔が中央から上下にずれる

それほどの凶相になって心の内側も

全てを呪い滅ぼそうとする邪神そのもの

となるまで変わって果てていたという。


その末の平成天皇の治世の

平成二十六年十一月十一日ごろに

ウワサになっていたため

護り石のたぐいを買ったころから

よくわからない不思議な出来事が

たくさん起こり始めた。


もちろんこれはとうてい

堪えられるものではなく

その潰されそうなほどの悩みを

なんとなく文章にして書き出して

気持ちを切り変えようと


そうしたけれどかえって

恨み辛みにつながって

妖怪に取り憑かれる

ことになった。


その妖怪のもたらす心の苦しみは

地獄の苦しみそのものでついに

動く死体そのままにまでされた。


だがそれほどの死にかけの状態になっても

その人物は書くことを止めないで

他人に非常な混乱や恐怖を押しつけそうな

短い物語をいくつも書いていくうちに

自分から妖怪の正体に気づいた。


それについてはもう多くを

語ることはなかったが妖怪は

人間の心を操る子どもの鬼で

天と地の全ての目に見えないものの

話の根っこに関わっている

ことだけを口に出した。


その後彼はそう時間を置かずに

心と身体が急激に衰えてしまって

命を落としたと伝わっている。


後世の調べに拠るとこの説話には

戦国の乱世の第六天魔王伊舎那天に

まつわる武将の出自である

福井県越前町の臣及び


思惑が在って秘された行き倒れの天女と

食べ物の神のいわく徳島県は


宍喰の土地の氏に

繋がるというが


これより深くを探るべきでは

ないのは知らないわけもあるまい

などと言うとか。


たいへん恐ろしいことである。



*** *** *** *** ***

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