胡蝶蘭
胡蝶蘭は、庭には植えない。家の中で育てるものだ。
だから、家の中で育てるのだが、なかなかうまくいかない。
最初の胡蝶蘭は、今の家を建てたときに近所の方が、新築祝いにくださった。
花が咲いているときは、それなりに綺麗だったのだが、その後、うまく育てようとしっかりお水をあげていたが、結局は枯らしてしまった。
その2年後、孫冬樹の勤める会社が、新社屋を建設したというので、たくさんの胡蝶蘭の鉢が集まったので、その一つを貰ってきたのだという。
翌年は、なんとか、おばあちゃんも管理して、花を咲かせることに成功したのだが、3年目になると、胡蝶蘭もどんどん元気がなくなってきた。
秋彦さんは、それをみて、「水をあげないで」、「水をあげちゃだめ」と、うるさくいうのには、困ってしまった。ちゃんと、言われたように、1週間に一度しか上げていないのに、さんざん文句を言われてしまう。
そのうち、秋彦さんが我慢の限界になったのか、胡蝶蘭を取り上げて、自分で管理すると言い出した。
植木鉢を植え替えて、冬は寒くならないように、室内で育て、春になるとベランダに出して、一生懸命育てているようだが、花が咲く気配がない。
なんとか、枯れないのを、なんとか、維持しているにすぎない。
いつになったら、花が咲くのだろうか。きっと、秋彦さんも、私より、上手に育てているようには見えないのだが。なんとかなるのだろうか。
今年も、花芽も出ていないので、花が咲くのはむずかしいだろう。
枯らさないで、夏を越せるかが、勝負だろう。
新築祝いや開店祝いには、必ず、飾られる胡蝶蘭。しかし、その後、きちんと育てられるのは稀だろう。
その意味では、ちょっと、悲しい花でもある。
非常にたくさん育てられて、たくさん、枯れてしまう悲しい花でもある。




