菊の花
おじいちゃんのお葬式のとき、たくさんの白い菊の花が飾られた。おばあちゃんは、お葬式も終わって、片つけるとき、一輪の菊を庭の地面に挿した。挿し木にして増やすつもりだったらしい。
秋彦さんは大笑いをして、もう、何日もお葬式に飾られていた菊が生えてくるわけがないと、バカにしていた。
ところがなんと、根がついたのである。
驚くべき生命力。
毎日水をやり、大事に育てていると、どんどん育ってきた。菊は大きくなったからといって、花が咲くわけではない。日照時間が短くなって、秋にならないと花は咲かない。しかし、菊の茎は、どんどん長くなって、1メートル50センチになって、しまった、株も分裂して、20本以上の茎が伸びていた。秋になって花をつけたが、茎が伸びすぎて、自立できないのだ。
20本まとめて、紐でしばり、近くの梅の木に、結びつけて、なんとか、自立させようと散々苦労したが、結局うまくいかず、菊の花がお辞儀してまう。
3年ほど育ててみたが、バランス悪さ、自立できない問題があり、株ごと掘り起こして、育てるのをやめた。
そして、思い至った。お葬式の菊は、1年中供給できるように、菊の茎が成長しやすいように改良されているのだ。お葬式用に改良された菊は、ちいさな庭で育ち、花を咲かせるのは、はやり無理だったのだ。
もし、育てるのなら、ホームセンターで売っている菊を買ってこようとおもうが、おばあちゃんは、菊を買おうとしない。




