酒は飲んでも呑まれるな
翌朝、昨晩から続く嫁自慢は未だに終わりを迎えていなかった。
「おれのよめだってですね。しっぽをていれしてあげているとですね。ぴくぴくしちゃって、ひっく、もぅほんとうっーーに!かわいいんですよ」
「ばかやろうー。ユリアにも、もっともっともっといいところが、たくさんあるんだぁ!」
女性陣はさすがに呆れが入ってきていた。
「アクア、ユリアさん、そろそろポイズンリムーブをお願いします。魔術師の体力は底なしですから、このままでは昼までこの調子ですよ?」
アクアとユリアが1つ頷き詠唱体制に入った。
「待って待って!!考えてみればお兄ちゃん達の本音を聞くいい機会じゃない?」
スティナがいいこと思い付いたと、イキイキしながら提案した。
アクセリナが悪のりしてスティナの意見に同意する。
「そうね♪そうね♪なにがいいかなー、そうだ!!好きなことについて聞いてみない?そう、根掘り葉掘り、隠していることまで全てね」
意外にも同意したのは真面目ちゃんのアネッテ。
「それについては私も興味がある。私は本当の意味でショウに必要とされたいからな」
「お兄ちゃんお兄ちゃん♪私の体のどんなところに魅力を感じてる?」
スティナがいきなり核爆弾を投下した。
うーんと考え込む翔。
「スティナはちいさいのにむねがおおきいところで、ひっく、とうさくてきなものをかんじる。こあくまてきなふんいきも、それをてつだってる。でも、ほんとうにいいなとおもうのは、すこしせのびしてるところで、したぎとかも、くろとかつけてるけど、はずかしいっていうのがみえみえなんだ。はじらいってたいせつだよね。あとおれはにおいふぇちだから、いいにおいのする、スティナのことだいすきだよ」
酒のせいで思考能力が落ちきっている翔は何の躊躇いもなく言った。
「うん、路線は間違っていなかったみたいね。恥じらいが大切っと♪匂いふぇちかー気をつけよっと♪次アクセリナいってみよう♪」
「私ね?じゃあショウ、私にどんなことをして欲しい?」
「りょうりと、ひっく、キスかな。できれば、からだをみっちゃくさせてほしい」
アクアが興味はあるけど、見ていられないと頭を抱える。
「ふふっ♪私にベタ惚れみたいね?キス劵とかくれたけど本当は自分がしたかったみたいね♪じゃあ…アクア次いこう!」
「私ですか?えっと、じ、じゃあ、マスター、む、むねは大きい方が好きですか?小さい方が好きですか?」
「どっちもすき」
急に全てを包み込むような優しい目に変わる。
「アクア、ちいさくてもいいんだよ?それはそれで、げいじゅつひんみたいな、ひっく、しんせいなかんじがする。」
「アネッテ、最後いってください」
アクアは複雑といった表情で引き下がった。
「ショウ、私のいいところってどこだ?」
「せいじつなところと、もふもふしてるところ、ネコのモフもいいけど、モフをモフるにはキツネが、ひっく、いちばんすきで、ふさふさもふもふのしっぽに、くるまれてねむりたい」
…今度させてあげようかな。
「キョウスケにも聞いてみよう。キョウスケは、私のどんなところが好きだ?」
「いま、はずかしそうにきいてくるようなところかな?」
にやり。
どうやら呂律は回っていなかったが、思考能力は健在のようだ。
「そういうところ、ほんとうにかわいいとおもうよ」
須藤はユリアをひっ捕まえて抱え込む。
「ちょっと!キョウスケ!!?」