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機甲魔術師の異世界転移  作者: タングステン風味
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発覚

目が覚めると見覚えのある天井とユリアの顔。


どうやら膝枕されているらしい。


ユリアは俺に手をかざし治癒魔術を掛けてくれていたらしい。


体に魔力を通し自分の体を診察する。


魔力の通りは…少し乱れがある程度か、骨もくっついているし内臓も問題ない。


俺が目を覚ましたことに気づいたらしい。


ユリアは、そっと俺の頭を抱え込み、目に涙をたたえながら謝罪?した。


「キョウスケー?~~?」


他の皆も総じて沈痛な面持ちで暗い表情をしている。


あーあー!嫌だね?この雰囲気!!


がばっと起き上がり外へと向かう。


「土よ 我が望む形に姿を変えよ」


土魔術でテーブル、椅子、架台を作る。


「召喚」

「解呪」

剥がれたフレーム装甲板を取り出し、防御魔術をひっぺがす。

「錬金」

装甲板を板状に成形し直し、架台にセット。

小屋の裏手に回り薪置き場から薪を拝借し、架台の下に適当に組んだ。

「召喚」

ライターを取り出し、着火。

「召喚」

カトラリー、カップ、猪肉、酒をどんとテーブルの上に召喚。


ここまでの工程でかかった時間、僅か3分。


ユリア達はようやくこの男が何を仕出かそうとしているか理解した。


酒宴である。


「まあ、恭介らしいわね」


とガイアが呆れた。






猪肉は持ってきていた万能調味料のカレー粉で味付けされており、食欲をそそる匂いが立ち上っている。


「うはは!飲め飲め!!」


「??。♪~~?!」


一番年長の槍使いの男に芋焼酎を注ぐ。


この槍使い、俺に並ぶ酒好きだな。


剣を使う男はうまそうに猪肉を食べ続けている。


どうやら酒が飲めないらしい。


人生の半分は損してるな。


ユリアにはサバイバルキット内のスポーツドリンク風味の飲み物を、もう一人の弓使いの女性にはみかん酒を渡していた。


皆の顔には笑顔が浮かび、先程の暗い雰囲気は完全に霧散していた。


やっぱり酒の力は偉大だな!!


ユリアがみかん酒に興味をもっているようだ。


いかんいかん、未成年にはお酒を飲ましては!!


俺は、みかん酒をユリアに勧めようとしている、弓使いの女性を止める。


弓使いは何故か半笑いで困った様な顔をした。


「キョウスケ~~?!!」


そんなに、駄々をこねたってお酒をは成人してからね?


猪肉を皿にとってユリアにあーんしてやる。


弓使いはぷっと吹き出し爆笑。


横でこちらを見ていた剣使いと槍使いも爆笑している。


笑いながら、剣使いはこっちを見ろと俺にアピールする。



槍使いを指差し、指を3本立て、その後5本立てた。



そして自分を指差し、2本、5本と立てる。


年齢か?


弓使いは23才らしい。


剣使いは、弓使いにどつかれた。


女性に年齢の類いの話を振ったのだから当然である。


で?それで今の状況に何の関係が?


ユリアを指差し。


2本、9本と指を立てる。



どうやら酔いが回っているらしい。


飲み過ぎたか?


「ガイア、あれ何本にみえる?」


「2本と9本ですね」


…なんだって?


29才?


この小○○にしか見えない女の子が?!


あっ、!そうか、惑星の自転やらが地球と違うのか?


…それにしては他の皆の年齢は相応だよな?


…………本当に29才?


この見た目で俺と同い年か?


ユリアさんは忌々しげに肉に食らいつき、俺の持っている酒杯を奪い取り、喉を鳴らして飲む。


やたらと酒を飲む姿が様になっている。


あ、29才だわ。


俺は黙って芋焼酎を注いだ。

これで須藤編終了です。


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