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機甲魔術師の異世界転移  作者: タングステン風味
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遭遇

「参ったなこれは...」


月に似た天体が2つあるということは、今俺たちのいる惑星は地球ではない。


小屋が建っているということは、知的生命体がいるということだ。


モンスターしかいない惑星とかよりは、マシだな。


となると、なんとか人なりなんなりに接触してここがどういう場所かを知らなければならない。


それに手持ちの水や食糧も残り少ない。


俺は翔と違ってポイズンリムーブが使えないので、その辺になっている木の実やら獣肉やらを食べるにはリスクが高い。


とりあえずの行動方針は、町なり村なりを見つけてコミュニケーションをとることでいこう。


「明日に備えて休みましょう」


ガイアがそう提案してきた。


現状、それしかないか。


俺は、埃っぽい木の床に体を横たえ浅い眠りにつくのだった。








翌朝


警報の魔術に何者かが引っ掛かった。


俺は枕元に置いてあったショットガンを手に取る。


モンスターか?


「ガイア様子を見てきてくれ」


「了解」


ガイアが壁を透過し壁の向こうを覗きみる。


「恭介、人のようだわ。数は4人、皆武装していて、そのうち一人は魔術師ね。冒険者の様な出で立ちよ」


さて、どうするか。


魔術師がいるということは警報魔術に気付いている可能性が高い。


恐らく踏み込んでこないのは、トラップに引っ掛かったことに気付いているからだろう。


いきなり魔術をぶっぱなして来ないので、話ができる可能性があるかもしれないな。


コンコンとドアがノックされる。


「〜〜!!??」


女の声だ。


当然、何を言っているのかわからない。


「ガイアいつでも戦える様にしておけ」


こくと一つ相棒が頷いた。


俺はドアから少し離れた所に陣取り、念動力の魔術でドアを開ける。


「何者だ?」


女の子だった。


頭にネコミミが生えている。


「〜〜〜?〜?」


両者共沈黙。


「!!??!!」


女の子の口調が変わった。


恐らく多国語か何かで話しかけて来ているのだろう。


「!!?土〜魔術??!」


ん?


所々、古代精霊語が混じってないか?


俺には殆ど聞き取れないが、遥か彼方昔に精霊語をに老魔術師に教わったことがあったのでほんの少しだが内容が理解出来た。


「ガイア」


「精霊語の様ね?」


ちなみにガイアは殆ど精霊語を話せない。


精霊語といえども、精霊としてかなり若いガイアは古代精霊語を修めてなかった。


アクアちゃんなら古代精霊語を話せたのだがな。


俺は、身振り手振りを付け加えながら拙い精霊語で会話を試みる。


30分後


どうやら彼女らは俺と敵対する気はないようだ。


夜通し歩いて来たので休ませて欲しいとかなんとか言っているように思える。


この女の子の瞳には確かな知性を感じられる。


この女の子達とコミュニケーションしてもいいかも知れない。


俺は外で辺りを警戒している他の冒険者達(成人男性2人、成人女性1人)に声をかけ、小屋の中に入ってもらった。


どうやらユリアは俺のショットガンに興味深々のようだ。


「ユリア、こらこら危ないから触っちゃいけないよ」


俺たちは互いに自己紹介し名前を伝え合うことに成功していた。


そう言いながらユリアからショットガンを取り上げる。


「キョウスケ!!??〜〜待って!」


どうやらユリアはご不満のようだ。


俺はユリアを抱き抱え、一番年長の成人男性に手渡した。


「危ないからちゃんと見てやってくれ」


「ユリア???!??〜〜」


男は涙目になりながらユリアを受け取った。


女の子達冒険者パーティは、交代で休憩をとるようだ。


「恭介、えらくその女の子になつかれているわね」


俺というより、ショットガンに興味がある様に思えるが。


「そんなものよりこっち」


「召喚」


「?魔術?!!?」


ユリアは魔術にも興味を示しているようだ。


俺は虚数庫からフレームのメンテナンス用のノートパソコンを取り出した。


ユリアを膝の上に座らせ、そのユリアやの膝の上に起動したノートパソコンを置いてやる。


子ども扱いしたことに怒った様子だったが、ノートパソコンを見て機嫌を直したようだ。


俺は後ろから抱き抱えるようにして、ノートパソコンに入ってあるゲームを起動した。


国民的落ちものパズルで、色違いの丸い謎生物の色を揃え、消して相手に攻撃するやつだ。


難易度は中辛でやってみせる。


ちゃくちゃくと種を仕込んでいき、相手が謎生物を消した瞬間起爆。


10チェイン決まり、一撃で相手を倒した。


その後も何勝負か試合をコンピューター相手にしてみせた。


ユリアにキーボードを触らせてやる。


ユリアは目を輝かせ、ちゃくちゃくと謎生物を詰んでいく。


12チェインで相手を一撃死させた。


おお!この子かなりセンスあるぞ。


その後も何戦かコンピューターとやるが、すべて圧勝する。


ふふんと自慢気に俺の方に振り返ったので、頭をくしゃくしゃにしてやった。


ならば


俺はキーコフィングで2プレイできるように設定した。


俺は身振り手振りで、二人で対戦しようと伝えた。


ユリアは理解したのか、ふふん♪かかって来なさいと言わんばかりに胸をはる。


「キョウスケ!??!?」



胸は山など殆どなく、まるで崖の様だったが。


プレイ開始。


俺は単発で謎生物を消しながら時間を稼ぎ、着々とコンボを作っていく。


ユリアも負けてはいない。


本当に邪魔な謎生物を消しながら、時には俺が落とした邪魔キャラをも利用し、コンボをのばしていく。


そして、両者とも7、8割り方謎生物を詰んだところでコンボの撃ち合いが始まった。


両者とも10コンボ以上。


激しい相殺合戦が繰り広げられる。


ここでまさかの俺痛恨のミス。


色を見間違えコンボが成立していなかった。


ユリアはミスなし。


俺より2コンボ多い。


コンボ補正で大量の邪魔キャラが俺の画面に降ってきた。


邪魔キャラだけで8割がた埋まってしまった。


その後はユリアに細かく攻められ負けてしまった。


俺このゲーム結構自信あったんだけどなぁ。


「キョウスケ」


ユリアは俺の名前を呼びぽんぽんと肩を叩いた。


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