ガイアちゃん怒る
見られた。
ガイアちゃんに見られた。
俺は、アネッテに手取り足取りねちねち鼻息を荒くしながら、授業をしているところを見られてしまった。
「翔君が4人のお嫁さん候補と同棲している事は知ってるけど、庭先でそんなことするのはどうかと思う」
はい、その通りです。
「もう……アクアは一体何をしているの?翔君ちょっと正座」
はい。
おとなしく俺は地べたに正座する。
「すんませんでした」
「私に謝るのではなくて、アネッテさんに謝りなさい」
怒られた。
昔からガイアちゃんには頭が上がらない。
「すみませんでした」
アネッテに謝った。
「別に大丈夫だ。もうちょっと場所を選んでくれるとありがたいが」
うん。
今度は場所を選んで、もふもふするね?
「ほら、立っていいよ翔君」
イエスマム。
「ところで、ガイアちゃんだけ?須藤さんは?」
小芝居を続けていてもガイアちゃんのマスターである、須藤さんが来る気配がない。
「ちょっとユリアさんとね...その、盛り上がっちゃってるから、先に私だけ来たの」
うわ、犯罪ですよ須藤さん。
色々大丈夫なのか?
大きさ的に。
まあいいや。
「立ち話もなんだし俺の家に上がってくれよ」
ガイアちゃんの手を引こうとすると、するりと通り抜けてしまう。
あ、そっか、アクアとアネッテが触れるから忘れていたが、大精霊の位階?に達していない精霊に物理的に触れないのだった。
「もう、何してるの?そういえばその辺のことも知りたいから、アクアも呼んできてもらえる?」
イエスマム。
俺はリビングにガイアちゃんを案内すると、アクアを呼びに地下の工作室に向かった。
「アクアー?ガイアちゃん来たからリビングにこいよー」
アクアは、何かを作っているようだ。
「マスター、ちょっといいところなので、あと5分待って下さい」
ああ、これは長引くパターンだ。
一体何をやっているんだ?
俺はアクアの手元を覗き込んだ。
ああ、左足用のエーテルエッジ発生装置か。
「ほれ、そこで手を止めて上がってこいよ?魔術文字を掘り込むのは後でも出来るだろ?」
アクアがもうちょっともうちょっとといいながら作業を進める。
……いたずらしてやろう。
俺はアクアを後ろから抱き締めると、アクアの髪の毛の匂いをすんすんと嗅いだ。
「ちょっと?!マスター何して」
俺はアクアのいい匂いを堪能すると、アクアの耳をハムった。
「ちょっと?んっ!やめ?」
アクアが顔を赤らめながらいやいやをする。
ほうあ〜〜!!可愛い可愛いよアクアちゃん!!
「翔君、ちょっといつまでかかっ……て……」
またガイアちゃんに変態行為を見られた。
「すぐに上に上がって来なさい」
恐い。
無表情で俺を見つめるガイアちゃん激恐。
「いこっか?アクア?」
「はい、マスター」
俺たちはリビングに戻りガイアちゃんに一刻も早く許しを乞わなくてはならない。
「「すみませんでした!!!」」
俺とアクアはリビングに入るや否や、ジャンピング土下座を披露してマムに許しを乞う。
「ちょっと翔君?そういうのに興味があるのはわかるけど、程ほどにしときなさい?それにアクア?あなたがついていながらこの体たらく、もうちょっと気を引き締めなさい」
ひぃ恐い。
「「すみませんでしたマム!!」」
「なるほどねえ?そんなことがあったの」
俺はかくかくうまうまこっちの世界に来てからのことを報告した。
「私たちも、発電所で女性の人質を救出した後、翔君のところに応援に向かっていたの。それであの魔力の渦に巻き込まれてしまってここより南の草原地帯に飛ばされたのよ」
次回から数話須藤さん達の活躍を書きます