フレームvsフレーム
「俺です。相羽翔です!!須藤さんでしょう?!」
「…」
じりじりと須藤の放つプレッシャーの密度が上がる。
須藤は操られているのか?
「おいガイアちゃん!!一体どうなっている?!」
須藤の契約精霊であるガイアに呼びかける。
「oooaAAA!!!!」
いつもなら鈴が転がる音の様な声を発する少女は明らかに正気を失っていた。
まさか、狂精霊化しているのか?
浴場の天井を踏み砕きながらランスチャージを仕掛けてくる。
俺は手に持った月でランスをどうにか逸らす。
重い!!俺の意志に反して手ががくがくと震え、ランスを逸らし損ねかけた。
「ご主人様!このままではっ!」
「わかってるっ」
いくら月でも防御力が異様に高い須藤のフレームを切り裂くのは厳しいだろう。
「マスター!!」「お兄ちゃん!!」「「ショウ!!」」
皆逃げて無かったのか!?
「私達が時間を稼ぐ、早くフレームを召喚しろ!!」
アネッテが凪を抜き放ち、須藤に向かって突貫しヒット&アウェイで曲芸の如く立ち回っている。
いつやられてもおかしくない、綱渡りの様な攻防を須藤と繰り広げている。
悩んでいる暇はない
「皆!アネッテの援護を!」
スティナはアネッテの後を追うように鞭を構えながら走りだし、アクセリナは弓を構えた。
「アクアいくぞ!召喚!!」
「!?形状が?くっ準備に15秒ください!!」
しまった!アクセリナ用にフレームの形状を変えたままだった。
何とか時間を捻出するために、須藤を足止めしなければならない。
「渦巻く螺旋よ 敵を穿て ハイドロスパイラル!!」
水の圧力で押し流そうとするが抵抗される。
スティナが鞭でフレームを叩くが相性が悪く、全く効果がない。
「鞭が駄目なら!!風礫!!」
アクセリナはスティナの風礫を取り込むよう矢を放ち、風を纏って矢は須藤へと伸びる。
「…!!」
ようやくフレームを少し後退させることに成功した。
「マスターいけます!」
「着装!!」
俺は水色のフレームを身に纏った。
武装は手にショットガンと腰部分に月をマウントしている。
「皆は俺のバックアップを!!」
皆の後退を援護するため水魔術を行使する。
「水よ 捻れて礫となれ!! ウォーターバレット!!」
須藤が土の壁を作り出した隙に皆は距離をとる。
とにかく、須藤を気絶させるか、機体に大きなダメージを与えて除装させるしか彼等を救う方法がない。
俺は走りながらバックショトを、須藤に撃つ。
やはり正面からでは駄目か…。となると装甲が比較的薄い、頭部か背部しか効果が薄いだろう。
「……!」
須藤が肩に装備していた30mmチェーンガンとロケットを撃ってきた。
「アクアロケットを頼む!!ウォーターシールド」
俺は障壁をはりチェーンガンを受けとめる。
「ウォーターカッター」
アクアはロケットを水圧で断ち切っている。
「町を守りながら戦うのは厳しいな」
このままではじり貧だ。
勝負にでる。
俺は天井をショットガンでぶち抜き浴室に飛び降りた。
天井から土のつららが雨の様に降ってくる。
「くそっ、オオオオオオ!!」
俺はつららを避けながら須藤の足元に到着。
須藤の真後ろにショットガンで穴をあけ、風呂の水で出来た俺そっくりの分身を飛び込ませる。
天井の穴から分身が外に出た瞬間
ジャキンという音が聞こえ分身が貫かれた。
今だ!!!
俺は須藤がランスを突き刺したと同時に、須藤の足元を狙いショットガンで吹き飛ばした。
ランスを振り体勢が伸びきったところを狙われた須藤はなすすべもなく浴室に落ち。
俺はショットガンを手離しアーツを繰り出す。
「爆裂掌!!」
弓のように腕を引き絞り繰り出された掌底は、須藤のフレームの魔力炉付近の装甲に直撃。
直撃した瞬間、掌に水魔術、アクアバーストを行使
爆裂させ。
須藤のフレームは色を失い、轟音を響かせ崩れ落ちた。




