翠色
アルムに帰ろう。
「召還」
虚数庫からフレームを取り出す。
「装着」
フレームを身に纏う。
腰にはいていた月を背部のマウントスペースにマウントする。
「ご主人様この鎧はいったい?」
「まるまるうまうまだ」
「あなたいつもそうやって説明してるの?」
「アクセリナ、フレームと同化できるか?」
「わからないけどそのフレームに呼ばれている気がする」
アクセリナがフレームに手を触れる。
「え?キャア?!」
突然フレームが光輝きアクセリナが取り込まれた。
虹色に光る極彩色の空間に私はいるようだ。
どう見ても蒼月湖ではない。
「確かフレームに触ろうとして…」
灰色のフレームが私の前に現れる。
「……?」
どうやら念話で語りかけてきているようだ。
「ドリアードのアクセリナよ」
「……?」
「当然。その為に精霊郷からでてきたんだから」
「……?」
「そ、そうよ!!私はショウの///」
私今顔赤くなっているのが自分でわかる。
だって……なんて言われたら///
どうやら私の存在を認めてくれたらしい。
そう私が認識した途端、景色が移り変わり蒼月湖に戻っていた。
「うおお?!」
装着していたフレームが急に変形を始める。
「アクセリナ何か変なことしなかったか?」
「私?私別に何もしてないわよ?」
そうこうしているうちにフレームの形状がみるみる変わっていく。
「これ本当に大丈夫なのか?俺ソーセージみたいにならないよな?!」
「私に聞かないでよ?!大丈夫なんじゃない?!」
どうやら変形が終わったようだ。
灰色から翠色に変化したフレームは、アクアの時と同様、装甲の形状まで変わったようだ。
機体重量を極限まで減らした細身のフレームに大型化したブースターがついている。
「ふむ…軽く垂直跳びしてみるか」
「軽く?全力でやってみなさいよ」
急激に足に魔力が集中し、インナーマッスルが膨張する。
「へ?」
既にジャンプ体制に入っていた俺は気づかずジャンプしてしまう。
急激に視界がぶれ
「おわああああああっ?!」
「キャー?!」
ビルの6階位の高さまで跳び上がった。
勿論体勢を崩して。
「アクセリナ落ち着け機体制御できない!ほれ深呼吸しろ!」
アクセリナがヒッヒッフーと何故かラマーズ法で呼吸する。
アクセリナちゃんそれ違う、子ども生む気か?
当然制御を取り戻せず、地面が近づいてきた。
「ー!」
丁度落下地点に蔦で出来たネットが展開される。
ぶちぶちと蔦を引き裂きながら減速した。
「ご主人様不様ですね」
ほっとけ。
大丈夫?と俺を蔓で引き上げ、地面に立たせてくれた霊木さんマジイケメン。
「除装」
「アクセリナちゃん正座」
「はい……」
「言いたいことわかる?」
「ごめんなさい」
まあまあその辺でと俺の肩を叩く霊木さん。
「まあいきなり乗せた俺も悪かった」
ドンマイとアクセリナの頭をぽんぽんする霊木さん。
「というかアクセリナ、色変わってない?」
「へ?」
アクセリナが湖に写る自分の姿を確認する。
緑色からより深い翠色に変化していた。
「どうなっているのこれ?何故か魔力総量も上がっているようだけれど」
「本当にフレームに入った時何も無かった?」
「無かったわよ?光に包まれたと思ったらフレームと同化してた」
「まあうちの水精霊も色変わったけども、特に害は無いみたいだから様子見でいいんでない?」
「そうね……現状それしかないわね」